ホテルのサービスといくつかの出来事

今回選んだホテルは、Grand Mrina Hotel
場所はKatanoyokkaという、ヘルシンキ市の中心から東に少し離れた地域にあります。
このエリアは港のすぐそばなので倉庫街のようなところ。
そのため道を歩いていても人が少なく、ちょっとさみしい場所です。良く言えば静かな場所。
そのせいか、あまり観光客の姿を見かけませんでした。
一度だけ、日本人のツアー団体を朝食のときに見かけただけ。
その一日だけしか見なかったけど、ツアーだとあんな素晴らしいホテルに一泊だけだったのかなぁ。もったいない!
そのかわり、ビジネスマンが多いらしく、朝食でも仕事の話をしている人がちらほら。
夜にカフェに行っても半分はスーツ姿の人がいて、しかも皆きりりと身なりが良いひとばかりでした。
他の観光客も、フレンチブルを連れたしゃれた夫婦だったり、上品な親子だったり、もうとにかくジャージじゃ歩けない雰囲気なのです。(持ってないけど)
それでも居心地がいいのは、ホテル全体の落ち着いた雰囲気だったり、スタッフの対応の良さなのではないかなと思います。

サウナでの出来事

これは私の旅の友、サウナです。
ここのサウナは良かったですね~。
清潔感はもちろんのこと、サウナ・シャワー室と更衣室のほかに休むリラクゼーションルームもあったりして、予約すればそこでランチも食べられるらしい。
タオルも大判サイズがたっぷり用意されていたり、洗面所やトイレも広々として使いやすかったです。
ただ、無料で利用できる時間が朝の6:30から10:30までのみ、というのが残念だった。
まぁ、すぐ馴れたし、むしろ朝サウナって気持ちいい!

ちなみに、このサウナは男女で分かれていません。
写真にあるように、時間で男性と女性の使用を分けているのです。
ある時、いつものように素っ裸にタオル一枚でサウナに入っていました。
このときは私ひとりで独占していたのでタオルをかけて寝転がっていました。
すると、突然、立派な口ひげのおじさんが「Hello」と入ってきました。
もちろんおじさんも素っ裸。
私はタオルを押さえたまま起き上がり「あー、ハロー…」と言ってみました。
あれ?いまは女性の時間だよね???
おじさんはいたって普通に座り、くつろいでいます。
確かに、フィンランドでは男女混同でサウナに入ると聞いたことはあるけど、素っ裸なのかはわからない。
全く動じていないおじさんの態度からして、フィンランド人なのか、そしてフィンランドでは男女混同でも素っ裸なのか…。
とりあえずしばらくじっとしてから、サウナから出ました。
そしてすぐさま表の掲示板を見ると、やはり16:00〜19:15は女性用の時間。
タオルを巻いておじさんのところへ戻り、「あのー、今この時間は女性用だと思います…」と教えてみました。
おじさんは「え?おぉ、そうなんですか?」と少し驚いている様子。
そして私に気遣ってなのか、私が部屋から出るまで出てきませんでした。
その後、他の女性と鉢合わせしなかったかなぁ。
ロビーの脇にはパソコンが3台あり、自由にインターネットできるスペースもあります。
しかも、利用案内のカウンターもあり、フルーツや水なんかも売ってて至れり尽くせり。

それと、ハウスキーパーのおばさん達も、朝廊下などで会うと「Morning!」と笑顔で声をかけてくれるのもうれしくなりました。
ちなみにチェックアウトの日は「Oh,Finish?」と声をかけてくれました。

予期せぬ訪問者

実は、このホテルに宿泊して一週間経った12月18日の夜に事件が起こりました。
ベッドに入ってウトウトとまどろんでいると、突然、ドアをコンコンと叩く音。
こんな時間に誰だろう…?と初めは寝ぼけていたのですが、ヘルシンキに知り合いはいないし、ホテルのスタッフ?
ドアの覗き穴から見ようとベッドから出てドアに近付こうとすると、ドアノブがガチャガチャと動きました。
真夜中だし、ホテルスタッフだったら開ける前に声をかけるはず。
思わず体が凍り付きました。
ドアの前の人はひたすらガチャガチャとドアノブを動かしますが、ドアは開きません。
ヤバい、不審者だ!!
と、急激に怖くなり、プチパニック。こういう時って、どうすればいいのかとっさに考えられないものですね。
どうしようどうしよう、ドアが開いちゃったらどうしよう!
もちろん怖くて覗き穴からなんて覗けません。
ホテルのフロントに電話しよう!と思い立ち、受話器を手にしても、英語で何て言えばいいのかわからない。
Someone is there、じゃ通じないよね!と辞書を取り出したりして。
辞書で調べつつも、怖くて震えるし、冷静になれません。
と、ひとりでパニクっている間にドアノブを動かす音がしなくなり、右隣の部屋のドアノブを動かす音が聞こえました。
良かった〜と脱力するのと同時に、自分が標的なわけじゃなかったんだ、という安堵で泣きたくなりました。
泥棒なのか変質者なのかわからないけど、被害にあわなくて本当に良かった。
北欧は安全といってもこんなことがあるんだ、と改めて気を引き締められました。
そして何より、今まで北欧を旅して作られた私にとっての北欧のイメージが壊された事に大きなショックを受けました。

翌日、いつものように出かけて帰って来ると、ルームキーが使えない。
何度やってもエラーになるので、おかしいなーとホテルのフロントへ行くと、私と同じくルームキーを持った人がちらほら。
フロントのカウンターに張り紙があり、”19日の16時、セキュリティデータ更新のため全ての部屋のカードキーが使えなくなります” と書いてある。
そこでお知らせの張り紙を見て初めて知ったのですが、びっくり。
すぐに、昨日の不審者のことで誰かがフロントに通報したのかな、と思いました。
または、部屋に入られて被害にあった人がいるとか…。
何にしても、カードキーのデータが更新されたのでとても安心できました。
この事件で、ある意味このヘルシンキ滞在が忘れられないものになりました。