God Jul! 12月24日

今回の旅の目的のひとつ、北欧のクリスマスを体験すること。
本場はどんなクリスマスなのだろうか?是非見てみたい!と思っていました。
スウェーデン語でメリークリスマスは「God Jul(グッド・ユール)」です。
街も建物のなかもなにもかもが全てクリスマス。
テレビを見ていても、クリスマスにちなんだ新旧の映画やドラマ、ドキュメンタリーが流れ、CMもほとんどがクリスマスバージョン。
クリスマスじゃないもの禁止!なくらい、クリスマス。
日本だと年間行事のひとつという感じだけど、こちらでは本当に生活の一部なんだなぁと思いました。


12月24日、クリスマスイブ。
朝起きてテレビをつけると、ポケモンが放送されていた。
劇場版「氷の帝王」。これつまんないんだよなぁ…ていうか、なんでポケモン?(しかも劇場版)

両替と観光案内所へ行くため中央駅へ。
中央駅内での待ち合わせの定番場所もクリスマス(左)。キレー。
用を済ませて外へ出ると、すぐそばにある聖クララ教会(中央)から大きな鐘の音が響いていました。
通り抜けがてら前を通ると、ちらほら人が中へ入って行く。
外には看板が出ていて、何かあるのかな…?と私もちょっと覗いてみた。
どうやらコンサートがあるらしい。
みんな特にチケットも見せずに入っているので、入り口でプログラムを配っていたおばさんに「入っていいんですか?チケット持ってないんですが…」と声をかけると「無料なのでチケットはないんですよ。歌だけですけど、どうぞ入ってください!」と笑顔で迎え入れてくれた。
お~教会でコンサートなんて、すっごいクリスマスっぽい!


私はクリスチャンではないので、控えめに壁沿いに置かれた椅子に座りました。
プログラムを見てみると、楽譜も載っていた。楽譜のあるものはみんなで歌うものみたい。
コンサートは男性テノール歌手とオルガン(またはピアノ)で6曲。
もちろん全てクリスマスの楽曲です。
初めて教会でコンサートを聞いたのですが、やっぱり響きがすごいですね。
あれは歌うほうも気持ちいいだろうなーと思いました。
そしてさすが、オルガンという楽器は教会で演奏するために作られたのではないかと思うほど、素晴らしかったです。
期待通り、映画”やかまし村の春夏秋冬”の中で歌われていた歌もやってくれた。
私はこの映画が大好きで、歌を聴きながら「あぁ、あの映画の国にいるんだ」と思ったら涙でそうでした。
30分くらいで終わったので出口に並んでいたチラシをもらったら、今日24日の18時からガムラスタンの大聖堂でも無料コンサートがあるらしい!
ということで、この日24日の予定は決まりました。


左はデパート”NK(エヌコー)”のエントランス吹き抜けに堂々と吊られていた巨大ツリー(ベル?)。
さすがエヌコー。高級デパートだけあってかなりゴージャス。
その下にはサンタブースが(中央)。
このときはサンタさんはいなかったのですが、いたら子供達のお願いを聞いているところが見れたのになぁ。
サンタさんがいなくても、子供を座らせていろんな角度から写真取りまくるパパ(手前)。
エヌコーの外のショーウインドウではクリスマスの舞台裏的なファンタジーな世界が繰り広げられています(右)。
5種くらいあって、これは出来上がったクリスマスプレゼントをソリに積んでいるところ。
どのショーウインドウでも子供達のくらいつきがすごかった。
このディスプレイが一番少なかったので写真に撮ったくらい。
そしてくらいついている子供を撮影する親、という光景がそこかしこで。
そのため、土日になるとこのウインドウの前はすごい人ごみで歩くのが大変です。

18時からの無料コンサートへ行くため、ガムラスタンの大聖堂へ。
さすがにこの教会は大きいのでかなりたくさんの人が来ていました。
後ろの方に座って来ている人たちを観察していると、家族行事だからしかたなく来ている男の子とか、結構リラックス~な人も多かった。
こちらのコンサートは青年合唱団の歌とピアノ(オルガン)。
オルガンのソロ曲にかなりシュールな曲があって、おもしろかった。
あれはある意味テクノ♪
その間に司教さまの説教(長い)がありました。
スウェーデン語なのでさっぱりわからないんだけど、前の男の人が寝ててコクリコクリおもしろかった。

コンサートが終わってふと見ると、”平和の球体”と名付けられている場所へちらほらと人がろうそくを灯していた。
子供も、特に親に言われるわけでもなくあたりまえのようにろうそくを置く。
私も募金箱へ5kr入れ、ろうそくを一本取って他のろうそくから火をもらい、球体にろうそくを置く。
他のろうそくから火をもらう、というのは「平和をつなげていく」という願いが込められているそうです。
この”平和の球体”というのは世界平和を願って置かれているもので、何度もこの教会を訪れましたが火がない状態を見たことは一度もありません。
ちなみに、球体の向こうには”平和の波”というのがあって、広く白い台に小さいろうそくを置けるようになっています。
そうしているうちに人が増え、出口に向かう途中で振り返ったら皆静かにろうそくを灯していて、その光景になんだか感動してしまいました。
クリスマスって本来こういうものなんだろうなあ、と心底思って胸がきゅんとしました。
そうしていたら、私の目前に突然男性がにゅっと表れ、すぐ脇のドアを開けようとしたので「すみません」と一歩ずれて顔を上げると、その男性はなんと司教さまでした。
おぉ~!あの高いバルコニーから厳かに説教していた司教さま(近くで見たらいい男だった)が!
司教さまは、それはそれは優しい笑顔で「Tack.(ありがとう)」と静かに言ってドアの中へ消えました。
その笑顔と声がほんとうに穏やかで「さすが司教さまは違う」とまた感動してしまいました。

さすがに19時半くらいになるとさすがにガムラスタンの目抜き通りも人がまばらでした。
あたたかい気持ちでガムラスタン駅に向かって歩く。
駅でホームに上がったらやんちゃそうな男の子のグループがたまっていて、一気に現実に。
他に人もいなくてちょっとドキドキしたのでホームを逆方面へ歩いて電車を待っていました。
基本的に治安はいいほうですが、夜(特にクリスマスで出歩いている人もいないので…)はちょっと気をつけたほうがいいかもしれません。