オスロの秋、街の風景

オスロの目抜き通りはKarl Johansgate(カール・ヨハン通り)。歩行者専用です。
オスロ中央駅広場から王宮まで続いていて、めぼしいお店が集まっているメインストリート。
途中に植物市場が開かれる市場や大聖堂、国会議事堂もあります。
なので平日でも昼くらいから混雑して賑わっていました。
この通りに沿っても大きな栗の木がたくさんあり、晴れた日にのんびり紅葉を楽しみながら散歩している人も多かった。
ある洋服屋からラジオか有線の曲が爆音で流れていたのですが、初日に初めてこの通りを歩いていたとき突然Royksoppの曲が流れてきて「ヤラセ!?」と思えるほどのタイミング。(Royksoppはノルウェーのバンド)
Royksoppファンとしては、歓迎の意なのかしら~と素直にうれしかったです。
カール・ヨハン通り沿いにあるオスロ大聖堂は現在工事中のため目隠しされていました。
かなり大きくて、オスロの代表的な建物だと思うのですが見られなくてすごく残念。
でもその大聖堂を囲むレンガ作りの回廊のような部分は残っていて、レストランやお店が入っています。
その回廊が立派だったぶん、大聖堂の素晴らしさが想像できてなおさら悔しかった。
その回廊のような建物と工事中の大聖堂の間は庭のようになっていて、そこへ入ることはできました。
大きな栗の木がたくさんあり、やっぱり大きな葉が紅葉していてとてもきれいだった。
オスロにはセブンイレブンがそこらじゅうにあります。
北欧でセブンイレブンがあるのはコペンハーゲンとオスロ。
フィンランドとスウェーデンでは見かけませんでした。
なんでだろう?
カール・ヨハン通りには何店かあって、写真の店舗は小さめ。もっと大きな店もある。
対して左はオスロのコンビニ"NARVESEN"。
このコンビニもそこらじゅうにあります。
コンビニの数は東京並み!便利~。
ちなみに、雑誌や新聞はコンビニでしか置いていなくて、本屋では売っていません。
なのでコンビニに置いてある雑誌の種類はものすごくて、大きな店舗だと壁一面が雑誌だったりする。
コンビニには果物も売っています。そしてみんなよく買う。
りんごやバナナを食べ歩きしている人もちらほら見かけます。 写真は大きなコンビニだったので種類も豊富ですが、たいていりんご、バナナ、オレンジは必ずある。
これは他の北欧でも同じだった。
コンビニとデリが合体したお店、"Deli de Luca"。(写真左)
レジ脇にスシやヤキソバ、カレー、パイ。キッシュなどの総菜類とケーキやパイ、マフィンなどのスイーツがたーくさん売っています。
カフェにはやや劣るけど、コンビニのファーストフードよりもしっかりとした食事が売っている感じかな?
しかもセルフのコーヒーメーカーもあって買っている人が多かった。
日本だとホットはホットコーナーの飲み物を買うけど、こちらでは”作る”んです。
この店は私が宿泊していたホテルの一階にあって、すごくすごく便利だった。
食べ物も飲み物も手軽で安いし、バックパッカーも助かるんじゃないかな~。
オスロにはスウェーデンのスーパー"ICA"があるのですが、なぜかスウェーデンと違って出来合いの総菜が売ってなかったので、こういうシステムのお店があるのかもしれない。
そして写真右はホットドックやサンドイッチ、お菓子や飲み物、お酒を扱う箱形の小さなお店。
駅にあるようなキオスクが街角にもある感じ。
私はなんとなく近寄りがたくて利用したことはないのですが、見ているとおっさんがよく利用している様子。
夏だったらちょっと冷たい飲み物やアイスを買って食べながらぶらぶら、なのかも。
それもいいなぁ。
オスロの街は路上が駐車場。公認路上駐車。
狭い道でもそうなのですが、やっぱり往来する車の数が少ないからこそですね。

ある日街を歩いていたらすごい混んでいる道があって、何事かと思ったら劇場があった。
どうやら公演が終わって観客が外へ出て来たところに遭遇したようでした。
子供連れが多かったので、たぶん子供向けの演目だったのかな。
ふと見上げてみると、大きな『ピーターパン』の垂れ幕が下がっていました。
ノーベル平和センターの前の広場では自然写真の展示が行われていました。
いわゆる野外美術館。
アフリカや北極、その他の土地で懸命に美しく生きる野生動物達の写真がたくさんありました。
吹雪のなか身を寄せ合うヒョウの親子や、気持ち悪いほどのフラミンゴの大群、狩りをしているライオンやうずくまるペンギン、シロクマ…
日本を代表して(?)鶴の写真もありました。きれいだった。
かわいい写真、残酷な写真など様々で、胸がしめつけられるくらい、懸命で美しい動物達の姿。
とても寒いなかみんな足を止めて眺めていたのですが、子供達がはしゃいでいる姿と相まって、私はなんだかこの星のことを少し考えてしまいました。
オスロにはレンタル自転車がそこらじゅうにあり、地元の人達もよく利用しているみたいでした。
でもデンマークみたいに自転車専用レーンはなかった。
自動車の走る道はトラムやバスも走るので広めだけど、あんまり走っている車の数は多くない。
なのに信号機の数はなぜかやたら多かったなぁ。
王宮近くの大きな道には、小島を入れて3つの信号が。(右)
でもほとんど車が来ないので、青じゃなくても渡れるほどなのに…謎。
オスロの街は噂に聞いていたとおり、確かに他の都市に比べれば観光名所は少なくて地味。
それに、他の北欧諸国ではあまり見かけなかったホームレスも、道ばたでちらほら見かけました。
缶を持ってうろうろしているおじさんや道に座り込んで悲壮感が漂う男性…。
メインストリートをはずれるとアジア人である私をじろじろと見つめる視線。
そういえば、中央駅よりも北側の通りへ買い物へ行ったとき、若い男の子とすれ違いざまに「ニーハオ!」と声をかけられました。
旅のエッセイ本や噂などで聞いたことがあったものの、私は初めての体験。
「これが噂の…!」と思わず笑ってしまいました。
うわぁ、本当にこんなことあるんだぁ、と心でにやにや笑いながら「これって差別?うーんでも私日本人だしなぁ、でも同じアジア人として怒るところ?でもでも怒る理由は?ううーん」とちょっぴり悩みました。
でもあの男の子にとってアジア人といえば中国人であり、もし中国人が嫌いなら中国語を言ったりするかな?そもそも”挨拶の言葉”として認識しているということは興味があるだけで嫌いなのではないのでは?
…などと考えてみたものの、「とりあえず嫌な感じはしなかったから、ま、いっか」とそれ以上考えるのをやめました。
こういう経験もあり、街を歩いて観察してみた結果、オスロは「やんちゃな男の子が多い街」という印象です。

こういう印象も含めて、オスロは都会になりきれない郊外の街の雰囲気がありました。
日本でいうと千葉や神奈川みたいな、発展している街なんだけど、田舎くさい匂いが感じられるような。
ストックホルムやコペンハーゲンよりも身近に感じられる部分がある。

地味だけど、自分たちなりの速度で満足のある暮らしを続けている。
思っていたほどつまんない街じゃないな、というのがオスロ滞在を振り返ってみての感想です。