はりきって観光-美術館編

観光客としてまずやることといえば、やはり観光名所巡り。
”地球の歩きかた”をチェックし、片っ端から観光します。
それではレッツゴー。
オスロ市内のお店は軒並み日曜休みのため、この日に一気に美術館や観光名所を回ります。
美術館や観光名所はたいてい月曜休みで日曜は営業しているのでちょうどいい。
まずはオスロに着いた翌日、観光案内所へ向かいます。
写真左の塔はオスロ中央駅前にあるトラフィカンテンという観光案内所。
ここでトラムや地下鉄の地図、オスロの観光雑誌などをもらっておいて、効率のいい周り方を考えます。
このトラフィカンテンの前の広場には、虎の像がありました。
なんでだろう?と思ったけど、オスロ市のマークに虎の絵が入っているので、トレードマークなのかもしれない。
みんな(たいてい子供)がしっぽにかじりつくので、しっぽだけてかてか。
日曜当日の朝、出かけるときにホテルの受付でオスロ・パスを買いました。
これは24時間の間、トラム、バス、地下鉄が乗り降り自由で、有料の美術館なども無料で入場できるもの(210kr。約4200円)。
他に2日券(48時間)や3日券(72時間)券もあり、コンビニや観光案内所でも購入できます。
ただ、オスロはそんなに広くないし、有料の観光場所も少ないので元気な人ならなくても歩いて移動すればそのほうが安かったりします。
それもあらかじめ計算したところ、買っても買わなくても同じくらいのコストだったので、切符をいちいち買う手間を考えると買った方が楽だという結論になりました。
オスロ・パスは使い始め、つまり最初に交通機関に乗るときや美術館に入る時に日時を刻印して、その日時から24時間です。
私の場合は最初に地下鉄に乗ったので、地下鉄の改札脇にある刻印機に入れてガチャンと刻印し、使用開始。
これは国会議事堂。
ホテルの近くにあったので寄ってみました。
目抜き通りのKarl Johan通りにあり、あんまり何気なくあるのではじめは劇場かなにかだと思いました。
じっくり見ると立派な建物。
昼間は、入り口にガードマンが立っています。
国会議事堂よりはるかに立派なオスロ市庁舎。
写真左は一階の大広間で、毎年12月10日にこの大広間でノーベル平和賞の授与式が行われます。
ものすごく広くて、ヨーロッパ最大と言われている巨大な油絵があり、入った瞬間圧倒されます。
大理石の階段を2階に上がると細長い部屋がいくつもあり、壁には絵が書かれていました。
中央の写真はそのうちのひとつで、窓際のパステル調の絵がとてもキレイで、美しい装飾の照明との光景が素晴らしい。
右も2階にあった広間。ここで晩餐会などが開かれるのかな?
あいにくの曇り空だったので残念。
晴れていたらいい景色が見られただろうなぁ。
オスロ市の郊外にあるムンク美術館は地下鉄で10分くらい。
この日は曇り空で寒かったのですが、レンタル自転車で来ている元気な観光客もちらほらいました。
オープンする時間の11時ちょうどに着いたのですが、すでにすごい人。
混んでいるのは入場時のセキュリティチェックが厳しいのも理由のひとつ。
まずチケットを買う前に、つまり建物自体に入る前に、入り口で持ち物をチェックされます。
空港のセキュリティチェックと同じく、持ち物のカバンやジャケットはトレイに入れて赤外線(?)に通し、セキュリティゲートを通ります。
まぁほとんどの人が難なく通過なのですが、ハンドバッグよりちょっと大きめのバッグを持っていると地下のロッカーへ入れるよう指示されます。
おばちゃん達は結構大きめのバッグを持っている人が多かったので、みんな地下行きでした。
おかげで私はすいすいと入場できました~。旅の荷物は小さめが一番ですね♪ セキュリティを通過すると、チケット(写真右)をもらい、さらに美術館入り口の検札機でチケットのバーコードを読み取るとガラスのドアが開き、やっと美術館へ入ることができます。
このムンク美術館に来る前日、国立美術館へ行ってムンクの代表作『叫び』と『マドンナ』などを見たのですが、どの作品も暗く、重く、悲しく、見ているとこちらまで悲しく暗い気持ちになってくるほどでした。
人間の孤独さや寂しさ、悲しさをあそこまで絵で表現できるムンクは確かにすごい才能なのかもしれないけど、はっきり言ってあんまり見ていたくはない作品。
なのであまり期待せずにムンク美術館を訪れたのですが、そんな気持ちは大きく裏切られ、とても素晴らしい作品ばかりでした。
ムンクは人物画や抽象画が多いのかと思っていたのですが、風景画もとても多い。
暗い色彩の作品だけでなく、淡い色調の美しい作品もとても多かったんです。
特に私が好きだったのは”冬の夜シリーズ”。(勝手に命名) 色彩が美しく、とてもかわいらしい。
あんまり素敵なのでそのシリーズの前からなかなか離れられませんでした。 これはやっぱり人気らしく、特に女性でグッズショップではこのシリーズのポストカードを手に取っている人が多かった。
他にも森を描いた作品も色彩豊かで素晴らしかったです。
ムンクは油絵だけではなく、版画や水彩画も手がけていて、こちらもすごく良かった。
もう、次々眺めているうち「ムンク、あんたってすごいじゃない!」とすっかりムンク像が変わりました。
あとでパンフレットを見てみたら、いまはちょうどムンクの風景画を主に公開している期間だったようです。ラッキー。
ちなみに、『叫び」の別バージョンや下絵もあり、さらに『自殺』という重過ぎる作品もあったりします。
ムンク美術館にはグッズショップとカフェも併設されています。
このカフェの名物は『叫びケーキ』。もちろん私も食べました。
顔がちょっとずれてて残念!
でも買おうと思ってカウンターへ向かうと、ガラスケースの中には『叫びケーキ』よりも美味しそうなケーキやサンドイッチがたくさん…
でもとりあえずムンクだから!と『叫びケーキ』を選んだものの、やっぱりというか予想通りと言うか、正直あんまり美味しくなかったです。
カフェだけの利用ができるので「明日もう一回来てやる!」と思ったものの、うまく都合がつかず、二度と行けませんでした。
"DOG A"というノルウェーデザイン建築センターにはオフィスに併設されたギャラリーがあります。
このときはアイスランドのウールの工芸品が展示されていてかわいかった。
あとはオスロの主な建築物や、ノルディックスキーの会場をあらゆる角度から見られる展示もあってすごいハイテク。
でも私がハマったのは、"SOUND SCAPE"というエキシビジョン。
10帖くらいの真っ暗な部屋に真っ黒なスクリーンがあり、次の作品を説明する文字が白く浮き出る。
部屋の4隅にはスピーカーが設置され、作品が始まるとクリアな音楽が流れる。その作品は、いろいろな音楽に合わせてCGで映像を作ったもの。
主にモーツアルトやバッハなどのクラシックを中心に、日本の琴などの曲。
ピアノやバイオリンの音を●や■や線で表し、現れては消え、めまぐるしく回転するもの、放射状に散乱するものなど、作品(曲)によって表現が変わる。
ひとつの作品は2分くらいで短いのですが、それぞれ見応えがあり、「次はどんなだろう?」と思うとなかなか出ることができませんでした。
特に好きだったのはオペラの作品で、男性のアルトにあわせて様々な形がゆっくりと回転しつつ変化を続けるもの。(写真のものではありません)
素晴らしい音楽を聴き、身体で感じ、目で見る。
歌声が伸びやかに響いていくごとに映像も変化し、次第に高まる高揚感。
わたし一人しかその場にいなかったこともあり、もうその高揚感の独占状態に涙が出てきました。
本当に素晴らしかった。
ビデオに撮影しようかと思ったけど、あの環境だから素晴らしいと思ったし、なにより作者に失礼だなと思って止めました。
あぁあれはもう一度見たいな。
ちなみにこれはDOGAのトイレ。すごいかっこいいです。
これは現代美術館。 私が訪れたときにメインフロアで行われていたのはサッカーのエキシビジョン。
大きなフロアにたくさんの巨大スクリーンがあり、サッカーの試合が流れています。
あるスクリーンでは解説者の映像、別のスクリーンでは上から見たサッカー場のCGで、それぞれの選手の動きを線で表しているもの。
他のスクリーンでは人気選手の感情の高まりを表したグラフが映像の下に表示されているもの。
あと競技場の駐車場の映像など、計6つくらいのスクリーンがひとつの試合の間に起こっていることを同時進行で写し出されていました。
私はサッカーに全く興味がないのですが、これは結構面白かった。
他にもいろいろと面白い展示もあったのですが、かなり奇抜で個性的なものが多く、”アート”って見る人次第だよなぁなどと思いました。
この美術館の建物は古い銀行を改造したもので、建物自体がなかなか楽しかったです。
美術館の前は噴水(水は止まってたけど)があり、大きな木もあってちょっとした公園になっていました。