2012年旅もくじ画像
ドットライン画像

ヴィンメルビィへ!

コペンハーゲン中央駅画像 コペンハーゲン中央駅 København H、朝8:37発の高速電車に乗ってスウェーデンに向かいます。
SJ X2000はスウェーデン国鉄の高速電車。
デンマーク間も行き来しています。
あらかじめSJのサイトでチケットを予約しておきました。
目的地は、スウェーデン南部の街、ヴィンメルビィ Vimmerby です。
コペンハーゲン中央駅からリンショーピン中央駅 Linköping C で乗り換え、Vimmerbyへ。
片道455SEK、約5,200円。
約5時間の電車の旅です。
5時間かかるので、コペンで一泊してのんびり行く事にしました。
せっかくの電車旅だし、景色を眺めながら行きたい。
なので窓際の席を予約♪




X2000車内画像 電車に乗り込んで自分の席に着いてみると、なんと、窓でなく壁際だった。
こんな席、あるんだ?
まず、すっごく驚いた。
これって、わざわざ窓際の席を予約した意味、ないよね?
しかもよりによって、外国から来た観光客にこの席はないでしょ。
驚きながら座って、次第に悲しくなってきた。
ほんとに、景色が見えない…。
夏です。田舎の素晴らしい自然の緑と青空。
憎らしいほどの素晴らしい天気。
まだ雨だったらそんなにショックじゃなかったかもな。
走り出したら、隣に座った黒人のおじさまが声をかけてきた。
どちらへ?と(英語で)聞かれて、一瞬答えに詰まってしまった。
だって、スウェーデン人じゃない限りVimmerbyを知っていると思えない。
正直に「Vimmerbyという田舎の街に観光で行くんです。あなたは?」と言うとやっぱりVimmerbyにピンとこないらしく、ふんふんと頷いて「私は仕事でストックホルムまで行くんです。いやいや長い道のりですね」と微笑んだ。
人なつこくていい人そうだなぁ。

デンマーク風力発電画像 この素晴らしい天気で見たい景色のひとつに、オーレスン橋 Øresundsbron がありました。
オーレスン橋は、デンマークのコペンハーゲンとスウェーデンのマルメ Malmö を結ぶ橋。
その橋を通るとき、鉄橋越しにバルト海を見ることができます。
壁の隙き間を覗いて外を見ると、わずかに見えた。
海の青と空の青のグラデーションがすごくきれい!
しかも、遠くに風力発電の風車の群れが見えます。
すっくと立ち並ぶ真っ白な風車群が青に映えて美しい。

あーもうなんでこの素晴らしい景色を隙き間から見てんの?私。
ちょっと悲しくなりながらも、見えただけマシかな…と思い直してみる。
前向き〜。







X2000の食堂車

X2000食堂車画像 X2000食堂車画像
X2000食堂車画像 コペンハーゲンからオーレスン橋を渡り、Malmöを過ぎると地下を抜けて大自然や小さな街のなかを抜けて電車は走ります。
お腹も空いたし、景色も見たいので食堂車"BISTRO"へ向かうことに。
朝食を食べきれなかったので(前日にコペンのフードコートで買ったお惣菜、約810円)残りを持ってきました。
(写真は朝食べる前の状態です)
甘くない食事パンが欲しかったけど、食堂車では売ってなかった。
なのでシナモンロール Kanelbullen とスパーリングウォーターを購入。
ガラガラなので朝食の残り物を食べても平気(気分が)。
それにしても、この食堂車のデザインが素晴らしい。
赤と白がカラフルでかわいい。
それでいて、なぜかとても居心地がいいので長居したくなる。
食べ終わったあと、外の景色を見ながらぼんやり。
でも私の招き猫体質が人を呼び、いつの間にか食堂車も満席に…。

リンショーピン駅で乗り換え

スウェーデン列車画像
リンショーピン中央駅で高速電車からローカル線に乗り換え。
12:01に到着したら、12:23発のVimmerby行きに乗らなくちゃいけない。
行ったことがない駅なので、20分で乗り換えできるのかドキドキ。
幸い電車は遅れなかったけど、なにせ方向音痴だし、スウェーデン語表記を理解するまでに時間がかかる。
リンショーピン中央駅はいくつかホームがあり、地下通路で繫がっている。
まずエレベーターでホームを降りた。
すると、通路には何も出発電車についての掲示板も何もなかった…。
日本の感覚だと、通路に何時どこ行き何番線って電光掲示板があると思うでしょ。
ちょっとおたおたして、まず1番線の駅舎へ行ってみた。
すると外に電光掲示板があり、自分が乗る電車のホームがわかった。
急いでホームへ向かうと電車が入ってきたところだった。
ほっとして乗り込むと、私の席があるはずの車両がロープで閉められていた。
???と戸惑っていると、入り口にいた駅員さんが「この車両は使えないので隣の車両に座ってくださーい」と案内している。
え?だって指定席だよね?と思い、空いているところに座ればいいのか聞こうとしたら、車椅子のお客さんが来て話しかけられなくなってしまった。
仕方ないので、隣の車両に行って空いてる席の隣の人に「ここ空いてますか?」と聞いたら「たぶん…」と言う。
せっかく窓際を予約したのにな…。電車の座席に運がない。
周りを見ると、「ここいい?」「どうぞ、あ、荷物どけましょうか」なんてやりとりも。
きっとそれぞれ空いてる席に座って、その席の人が来たら移動すればいいや、って感じなんだろうな。
ゆるいな〜田舎だな〜と、ゆるさに慣れていない私はちょっとドキドキ。
「アロー、アロー」
電車が発車すると、駅員さんが切符拝見に来た。
スウェーデン車窓画像 アロー?ハローがなまった挨拶だろうか?初めて聞いた。
それとも、田舎だから方言なのかな。
しかも、ネットでチケットをよやくした時にメールで送られて来たPDFにバーコードがあったのでプリントアウトしてきたのに、渡したらペンでチェック入れてた。
他にもiPhoneで画面を見せてるだけの人もいて、別にプリントアウトしなくて良かったみたい。
意外にも、切符拝見の時に「Vimmerbyまで」と言う人が多くて驚く。
しかも、半分くらい埋まった車内が、たぶん全員スウェーデン人だということにも驚いた。
ほんとにローカルなんだな…。
Vimmerbyまで1時間くらい。
しばらくして、窓の外は森と草原と湖、時々かわいい家が現れる。
青い空に浮かぶ雲が夏の空を描いてる。
静かな車内。がたんごとんと電車が進む音だけが鈍く響く。
時々、駅員さんの「アロー、アロー」という声が聞こえる。
なんて平和で美しい日だろう。

ヴィンメルヴィに到着!

ヴィンメルビー駅画像 いよいよVimmerbyに到着。
着いて、しばし立ち止まり回りを見渡す。
とうとう来たんだ〜。とうとう来ちゃった〜。
ちょっと信じられなくてぼんやりしたかったので、駅の脇の、木陰になっているベンチに座ってタバコを一本吸ってみる。
ぼんやりバスターミナルらしき駅前の広場を見ていると、車もバスも全く通らない。
さっきの電車から降りた人達がそれぞれ散って行く。
日差しがとても強いけど湿度が低いので汗が出ない。
暑くて、静かな夏の日。
しみじみと、Vimmerbyに来たんだなぁと実感が湧いてきた。
この美しい夏の日の景色と、Vimmerbyにいるという喜びでちょっと泣きそう。
こんな気持ちになる旅行って久しぶりだ。