Vimmerby駅のターミナルを周ってホテルへの道へ出たら、上り坂だった。
これは予想してなかった。
この強い日差しの中、重いスーツケースを引きずって坂をのぼるのは結構キツい。
でもタクシーを使うほど遠くないんだよなぁ。
それに駅前にタクシーは停まってなかったし。
ふうふう息を切らしながら坂をのぼる。
道を曲がっても坂が続いて、スーツケースを引く手も痛い。
もーやだー!と思った頃、ようやく坂が終わり、広場に出た。
歩いて10分もないくらいの距離だけど、荷物が大きかったりすごく重い場合、もしくはすごく疲れてる場合はタクシーを呼んでもらったほうが良さそう。
Vimmerbyの中心になる広場。
いろんな色の花が咲いて、常設の軽食屋台もいくつかある。
この広場がひぎやかな理由は、なんといっても子供達。
ミニ海賊船や小さな家など子供が遊ぶために工夫がこらされています。
ミニとか小さいと言っても、子供が走り回れるほどの大きさで、まさに子供サイズ。
駅から着くと、広場の手前にツーリスト・インフォメーションがあり、一番奥にホテル"STADS HOTELL WESTERN"があります(写真)。
小さな街なのであまりホテルは多くない。
このホテルが唯一英語表記があったのと、立地で選びました。
広場を横切ってホテルに着くと、中に入るのに階段しかない。
ホテル前はカフェテラスになっているらしく、テーブルがたくさん並んでいる。
ふうふう言いながら5段くらいの階段をあがり、一息つくとカフェの店員らしき女性が声をかけてくれた。
「チェックインですか?それならあそこの入り口から入ってすぐ右手がレセプションです」と丁寧に教えてくれた。
カウンターでチェックイン。
このホテルに3泊します。シングルルーム3泊で38,85SEK、約43,700円。一泊14,600円くらいかな。
ちょっと高いけど、他のホテルを安めにおさえたし、なによりここVimmerbyが今回の旅のメインだからあまりケチりたくなかった。
「今、お支払いしますか?それともチェックアウトの時にしますか?」と聞かれたので、今支払う事にしました。
すると「出発する時は鍵を忘れないように返却してくださいね。お客様が多いから覚えられないかもしれないので」と笑ってた。
田舎だからか、レセプションのおねえさんもとってもフレンドリー。
ホテルの部屋の机の上にはホテルの案内と、パンフレットやローカル新聞などが置いてありました。
どのパンフレットの表紙にもアストリッド・リンドグレン Astrid Lindgren と彼女の代表作「長くつしたのピッピ」がいる。
アストリッド・リンドグレンは知らなくても、「長くつしたのピッピ」は知っているという人も多いのではないでしょうか。
女性や映画好きなら、「ロッタちゃん」シリーズや「やかまし村」シリーズの映画を知っている人もいるかもしれません。
彼女は世界的にも有名な児童書の作者です。
「ピッピ」の他にも「エミール」「屋根の上のカールソン」「名探偵カッレくん」などたくさんの本を書き残しています。
「名探偵カッレくん」は世界的ヒットした小説/映画「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」にも、主人公ミカエルのあだ名として出てくるのを覚えている人もいるかも。
それと、ジブリで「ピッピ」の映画制作の企画があがった際、宮崎駿監督たちがスウェーデンを訪れて交渉とロケハンを行い、それが映画「魔女の宅急便」の街のモデルになったという話も有名。英語版の
ピッピWikipediaに詳しく載ってます。
それから、山田洋次監督も「名探偵カッレくん」のファンで映画化を交渉したけどうまくいかなかったという。
(結局「ピッピ」制作も実現しませんでした。リンドグレンは映画制作には相当こだわるらしいので相容れなかったのかも。)
そんなアストリッド・リンドグレンが生まれ育った街が、このVimmerby。
広場にはホットドッグや飲み物、アイスクリーム屋さんもあり、椅子やテーブルもたくさんあります。
子どもが遊ぶ脇で大人達がのんびりお茶している、という感じ。
お店の人達や他の大人も多いので安心して遊ばせられるんじゃないかと思います。
広場とホテルの間の道は車が通れるようになっているけど、そこを通る車は他の道よりスピードを落として走っていました。
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ヴィンメルビン教会 Vimmerby kyrka です。
こんなに真っ白な教会をスウェーデンで初めて見ました。
シンプルでキレイ。青い空に合う。
この教会の前で、リンドグレンのお父さんはお母さんにプロポーズしたんだそうです。
教会は広場のすぐそば。
教会の前は緑がきれいな小さい公園になっていて、高い場所にあるので景色も良く、気持ちがいい場所です。
観光シーズンのせいか一年中そうなのか、町中どこも清潔できれい。
ホテルの朝ご飯は旅行の楽しみのひとつ。
私はベジタリアンじゃないけど野菜好きなので、たいていホテルの朝食だと野菜の種類が少なくて悲しい。
少ない野菜でもパプリカはあるのでうれしい。日本だとちょっと高くてあんまり食べられないし。
トマト、パプリカ、メロン(写真左)。
あとスウェーデンのホテルではよく見かける肉だんごとスクランブルエッグ。(右)
手前にあるのは板状のパン、クネッケブロード Knäckebröd。バターを塗って食べるとおいしい。
北欧っぽいなぁ!と思ったのは、スーパーに毛糸売り場があったこと。
しかも夏なのにこれでもかといろんな種類の品揃え。
Konsumは、野菜、くだもの、肉やお惣菜、冷凍食品などの飲食品から下着、おもちゃや化粧品、など生活雑貨まで必要なものは一通り買う事ができます。
なのでここでお土産を買うのもいいかも。
バーゲンの山があったのでちょっと見てみたら、エゾシカの小さいぬいぐるみが投げ売りされてました。
手のひらに乗るくらいの大きさで、エゾシカの手足には磁石がついてるタイプ。
いつもこういう観光グッズは買わないんだけど、このくたっとしたところがかわいくて買ってしまいました。
晩ご飯をKonsumで購入。
Råkostsalladとパン。
Råkostsalladは生野菜のサラダ、という意味らしい。
さっぱりしたコールスローという感じのサラダでした(18.12sek 約210円)。
普段日本でもこういうサラダを一日一食は食べているので、旅行中も時々むしょうに食べたくなる。
だからお惣菜のあるスーパーがあると助かりますね。
パンも穀類の味がしっかりしておいしい。
ちなみにフォークは行きのSASで食事の時に出たもの。
いつももらって旅行中に使います。
田舎のせいか、こんな大きいホテルには珍しくブラウン管テレビ。
私の部屋は端っこだし、他の部屋の音も全く聞こえなかったので大丈夫かな?と思い、部屋にいるときはずっとテレビをつけてました。
以前「うるさい」という意味(?)で壁を叩かれたりしたので、隣部屋の話し声などが聞こえるときはテレビをつけないようにしています。
Macに写真を読み込んだりネットしているときも、お風呂から出てまったりしているときもテレビをつけて見てました。
おかげでスウェーデンのテレビを堪能!
CMを見るのが楽しい。
このとき初めて『Toy Story3』を見た。いい話だと思ったけど特に泣かなかったよ。でもやっぱりPIXARはコメディのセンスがいい。面白かった。
ちなみにwifiは無料。チェックインのときに「インターネットは使いますか?使うなら、これがパスワードです」と紙をもらいました。
Vimmerbyの広場からのびる道にはパステルカラーの建物が並んでます。
この日は夏至祭の日だったのでお店が軒並み休み。なので閑散としています。
Vimmerbyの町はシンプルでクリーン、そしてかわいい子どもの町、という印象です。
そういえば、夏至祭前夜(Midsommarafton)の夜、9時くらいからずーっと爆音で音楽が鳴り響いてました。
ヒップホップだったりポップだったり、起きている時はよかったんだけど、23時を過ぎても鳴り止まない爆音。
スウェーデン人の友達から「この日は酔っぱらう日」と聞いていたので、どこかのクラブかバーが盛り上がってるのかなと思った。
そもそもこの町にクラブとかあるの?という疑問もありつつ、窓全開でボリューム最大、という音なのでベッドの中でさすがにうんざり。
これ、朝まで続くのかなぁ…と悲しくなった頃、ピタリと音が止みました。
時計を見ると、夜中の0時を過ぎたところ。
そこからはまるで嘘のように静まり返ってました。
0時に終わって帰るなんて、健全過ぎる…!!とちょっと感動。
写真はこちらにたくさんあるので興味のある方はどうぞ♪