着いた日は早速アストリッド・リンドグレン・ネース Astrid Lindgren Näs へ。
広場からのんびり歩いて15分くらい。
とても天気が良かったので散歩しながら向かうのが気持ちいい。
でも、分かれ道などでも標識はないので要注意。すごく簡単な道なのに、迷いました。
しかも人通りも少ないので観光シーズン外の冬だと危険かも。通りかかったおばさまに聞いて、無事到着。
かなり広い敷地のようす。
ちなみにネース Näs はリンドグレンが生まれ育った農場の名前だそう。日本で言うところの、屋号?
入り口にスウェーデン国旗がはためいています。
ここは博物館でありネースの中心でもあるパビリオン。
リンドグレンの一生を辿れる展示場と、グッズ売り場、クラシックなカフェも併設されています。
隣で行われているエキシビションのチケットもここで買います。
中に入ると中央にカウンターがあり、奥に世界各国の言葉に訳されたリンドグレンの本があり、リンドグレン作品のキャラクターグッズもたっくさん売ってる。
買おうか悩んだけど、今回は買い物を控えることに決めてたので、がまん。
カウンターでチケットを買うと、陽気なお姉さんに「展示の解説をするヘッドフォンがあるんですけど、スウェーデン語、ドイツ語、英語のどれがいいですか?」と聞かれた。
んー、じゃ、日本語!と言ったら、あはははと笑いながら「ごめんなさい、日本語はないの!」ということで、英語を借りました。
意外にも、というと失礼だけどすごくいい展示だった。
これは展示の一部です。
高く積まれた本の山。
本好きにとってはたまらない光景!
と思って近づいてみたら、なんと全て木で作られていました。
ページがぱらぱらしているようすとか質感が紙そっくり。
これはすごい。
これは一冊づつ作られたのではなさそう。
すごいなぁ。
リンドグレンとはあんまり関係ないところで一番感動してしまった。
展示は、アストリッドが生まれてからの軌跡や、彼女にまつわるグッズなどがあり、後年に行っていた、
女性と子供の権利を守る活動などが紹介されていました。
ここはKunskaps Centret。日本語だと知識館?
ちなみに英語だとKnowledge Centre。
今年の夏は、イングリッド・ニイマン Ingrid Nyman の展示会を行ってました。
イングリッド・ニイマンは、”ピッピ”の挿絵を書いた人です。
最初にここに入ろうとしたら、入り口でチケットが必要だと言われたのでクレジットカードで買おうとしたところ「ここはカードが使えないんです。パラビオンでなら使えるんですけど…。すみません。」と言われてしまった。
そこでパビリオンへ行ってチケットを買い、ついでにそちらの展示も見てからこちらに戻ってきました。
そのとき受付をしていたのは、たぶん中学生くらいの男の子。
体は小柄で、声もまだまだ子供で、まっすぐで素直な感じ。
でもとても丁寧な言葉使い(しかも完璧な英語)だし、控えめな接客態度が好感度高くて本当にかわいかった。
それに夏休みのアルバイトかもしれないけど、子供を雇う、というか手伝わせるということ自体が素晴らしいと思った。
中学生ひとりに展示場を任せるなんて、日本ではないかもしれない。
知識館に戻ってきて、イングリッド・ニイマンの展示を見てみる。
入ってみると、ピッピの挿絵を大きくしたパネルがたくさん置かれていてとてもカラフル。
壁にはイングリッドについての解説などの他に、原画がたくさん展示されていました。
しかも、ピッピのマンガ。
4コマみたいなものだったけど、日本のマンガと同じく、白黒で、ふきだしがある。
すごーい!さすがにこれを見られるのは貴重でしょう。興奮してじっくり見て回りました。
さらに奥にはピッピの家みたいなプレイルームがありました。
これは子供が目を輝かせそう。私も胸躍りましたけど。
本当に、子供による子供のための場所なんだなぁと心底感心してしまいました。
ちなみに右の写真はトイレに通じる廊下。マットやラックなど、ちょっとしたものの色使いがなんともかわいい。
アストリッド・リンドグレンの生家に通じる道の入り口に看板がありました。
そこには「赤い家はアストリッド・リンドグレンが生まれ育った家です。砂利道を歩くようにしてプライベートの看板には配慮をお願いします」と書いてある。
プライベートの看板?
これがアストリッド・リンドグレンの生家です。
来る前は「ただ家が保存されているだけでしょ。ついでに見とくか」という軽い気持ちだったのですが、実際に家の前に発ってみたら感動してしまいました。
丁寧に、しかもさりげなく手入れされた植物や木々。
きれいに保存された家からは、今にも誰かがドアから出て来そうな、窓から顔を覗かせそうな、まるで今も人が住んでいるような空気を感じました。
入り口にロープがはられていなかったら、今も誰かが住んでるんだと本当に思ったかもしれない。
それくらい、家が現在も使われている息吹を感じた。
それはたぶん、常に誰かが大切に手入れをして気にかけているということだと思うんです。
リンドグレンがどれほどスウェーデンの人達に愛されているかを知って、とても感動しました。
なんというか、そこらじゅうに愛が溢れている感じ。じんわりと涙が出そうになります。
ふと見ると、ちらほらいた他の観光客のうち、私と同年齢くらいの男性が私同様ひそかに感極まって涙ぐんでいました。
ちなみに前もって予約をすれば家の中も見学できるそうです。
それとこの左隣に建っている建物はアストリッドのお父さんが建てた家。
高い生け垣と木で遮られていて、”PRIVAT"の看板が立っていました。
ちらっと見たら男性が庭の手入れをしているところが見えたので、こちらの家は本当に今も誰かが住んでいるようです。すごい!
ちょっと疲れたのでカフェで一休み。
小腹も空いていたので、チョコレートケーキを注文。
クリームもつけてもらいました。
あとカフェラテを頼もうとしたら、コーヒーしかないそうなのでコーヒーを頼んでミルクをたっぷり入れました。
ここのカフェは全てセルフサービスなので、自分でコーヒーカップにコーヒーを注ぐ。
紅茶を頼んだら、好みのティーバッグを選んでお湯を注ぐ。
これって一見不便なようですが、自分でおかわりを注ぎに行けばいくらでも飲めちゃうんです。
うーんステキ。
チョコレートケーキはしっとりした生地でしっかりと甘く、ほのかにチョコの苦みがあってクリーム(無糖)がとっても合う。
おいしかった〜。
テラス席でもいいなと思ったけど、日差しがあまりにもキツくて暑かったので室内にしました。