スウェーデン最大のショッピングセンター『Gekås Ullared』

ホストファミリーの家に移って間もなく、奥さんに「ヨーテボリから少し離れた場所に大きなショッピングセンターがあるんだけど、行く?」 と聞かれました。
そのショッピングセンターの名前はゲコス・ウッラデ Gekås Ullared。みんなはただ「ウッラデ」と呼んでた。
何でもスウェーデン最大規模のショッピングセンターで、全てのものが安いという。
住んでいる一帯の居住区(団地みたいなもの)の自治体がGekås Ullaredへの買い物ツアーを企画したようで、無料だというし、 おもしろそうなので奥さんと一緒に参加してみることにしました。
当日、なんと朝7時半に自治体の事務所近くのバスに集合。
土曜日にこんな早く起きるのキツイ…。
まだ薄暗いなか集合場所へ向かうと、なんと大型バス(トイレ付き)が2台停まってました。
続々集まる住人たち。こんなに大きなツアーだったの!?
奥さんに「何買うの?」と聞いたら、次の日曜が父の日なので義父へのプレゼントと、来週は義母の誕生日なのでプレゼントを買うとのこと。
奥さんによると、他の人はクリスマスプレゼントを買う人が多いらしい。
まだ11/12なのに、早いな。
7時半過ぎに出発すると、おじさん(自治体の人?)が「このバスは9時くらいにウッラデに到着します。 帰りは14:45までにバスに戻ってきてください。戻ってこない場合、15時まで待ちますが戻られない場合には待たずに出発します。」と言う。
ウッラデまでヨーテボリからバスで1時間半!
それでもツアーが組まれるほど人気があるショッピングセンターらしい。
9時前にウッラデに到着。窓から外を見ると、雨が降っている。
バスが駐車場に入って行くと、ぼんやりしている私に奥さんが「見て。もうこんなに車が停まってるよ。」と言う。
さらに「ってことは、これだけの人たちが既にお店の中にいるってことなんだよ…」という言葉でハッとした。
実際には、写真の3〜4倍の広さの駐車場です。
もう既に、半分くらい埋まってます。
みんなそんなに早く来るの!?とびっくり。
ショッピングセンター近くは自動車の駐車場。
大型バスの駐車場はさらにその外側なので遠い。
傘持って来なかった…。
そのうえすごい寒い。
眠いし、既になんか疲れてるし、寒いし、雨だし、ショッピングセンターはどこなのか見えないほど遠いし、不機嫌になる私。
そんな私とは打って変わって、他の奥様たちは張り切って買い物する気まんまんな様子。
雨が降っててもなんのその。
基本的に、ちょっとした雨なら傘なんてささないスウェーデンの人たち。
でも、これはちょっとした雨なんかじゃないから。
頭がどんどん濡れていくし、靴の中までぐっしょりだし、寒いし、そもそも濡れる事に慣れていないのでとても不快。
雨に濡れてぶーぶー文句を言う私に比べ、鼻歌でも歌いそうな様子でショッピングセンターに向かうスウェーデン人たち。
すごいな…。
雨に濡れながら進むと、ちょっとした小屋があり、みんな群がっている。
雨宿りのためにのぞいてみたら、巨大なカート置き場だった。建物も巨大だけど、カート自体もまた巨大。
ショッピングセンターの建物はまだまだ先なのに、雨の中、ここからカートを押してくの?
謎…。だってカートも濡れるじゃん…。

建物の前に着いた~と思ったら、お兄さんに誘導され、なぜか大まわりをして建物の前をぐるぐる。
なんで建物に入れないの!?
と思ったら、巨大なショッピングセンターのくせに入口はたったひとつ!
そのため、みんな入るのに並んでいるのです。ずぶぬれになって、でかいカートを押しながら…。
ありえなーい!!と日本語で叫んでみる。
奥さんに「中に入ったら、とりあえずタオルと靴を買いたい!体を拭いて靴を履き替えたいよ〜」と言うと、不思議そうな顔をされた。
その理由は、中に入るとわかるのだった…。
ようやく中に入れた!と思ったら、既にすごい人でカオス状態。
入った早々、「カート使う?カゴでいいかな?」とわたわたしながらカゴを私に手渡す奥さん。
え?カゴ? とりあえずカゴを受け取って周りを見渡し、状況を確認してみる。
私、巨大ショッピングモールで何でも安いと聞いていたので、三井アウトレットパークみたいなものかな、と勝手に想像していました。
実際のところ、ウッラデは、簡単に言うと大きなスーパーでした。
いろんなお店が入っているのではなく、ウッラデと言うひとつのお店だったんです。
しかもこんなに広いのに、部門ごとにお会計があるわけでもなく、レジは一カ所、出口の前のみ。
IKEAみたいなシステムですね。
雰囲気でいうと、まさしく日本で言うところのホームセンター。
ショッピングというか、買い出し。
みんな動きやすい格好してた。ちょっとおしゃれして行った自分が恥ずかしい。
大きさも『スウェーデン最大』と言ってますが、うちの田舎のホームセンターくらい。一日あれば十分。
もうなんか、いろんな意味でがっかり。
到着してすぐなのにどっと疲れたので、まずカフェで奥さんとお茶する事に。
レストランフロアの3階へ行くため、エスカレーターに向かう。
なんと、この広さで、エスカレーターひとつだけ…。
ありえなーい!エスカレーター乗るのに、何メートルも並ぶなんて!
ちなみに2階はカートおよび買い物かご置き場。持って3階へは行けません。
ホームセンターの2階がまるごとカート置き場なんて、どれだけたくさんの人が来るかわかりますね。

3階はレストランとカフェがあり、どちらもカフェテリア形式で自分の欲しい物をトレイに乗せて最後に支払うタイプ。
とりあえず、カフェの入口に並ぶ。
って、ここも長蛇の列だよ…。先に席を取って並ぶ。
コーヒーとドーナツのセットで10krって! 約150円ですよ。安ーっ!!
マフィンを付けても20kr。約300円!
しかも安いわりにドーナツもマフィンもそこそこおいしい♪
お水を取りに行ったら普通の水と炭酸水があった。炭酸水飲み放題なんてステキ!
一休みしたらだいぶ落ち着いて、このホームセンターのしくみがわかってきたので、疲れた奥さんを残して私は売り場へ参戦。
エスカレーターを降りたらそこは子供用品とおもちゃ売り場。
奥さんの言っていたとおりクリスマスプレゼントなのか、大きめのおもちゃをどしどしカートへ入れている人が多い。
私もついブリオのおもちゃを甥っ子に買った。※ブリオはスウェーデンのおもちゃ
なんたって通常の半額以下!めまいするほど安い。

確かに、何もかもが安い。
おもちゃや雑貨をはじめ、インテリアから家電、食器、台所用品、洗剤、洋服、かばんや靴、アクセサリーなどのファッション雑貨、 化粧品、スポーツ用品、さらにお菓子や飲食品、なんと野菜や冷凍食品まで、なんでも売ってます!
しかも、ほとんどのものが市内のお店で売られている値段の半額。
本当についつい買ってしまうほど安い。
500gの岩塩180円て!Geishaバーが5個で20kr(300円)って!
子供用の傘19kr!?(280円)買ってすぐ使うわ!
靴の中敷(ふっかふかの)がたったの8krって、90円だよ?
どういう仕組みでこんなに安いんだろう?

写真はレジ前。お昼過ぎ頃なので空いてます。
見える番号のプレートは、レジのナンバー。
見えてるだけでも29…。
”季節の品”売り場は当然クリスマス! ものすごいごったがえしてました。
このエリアはちょっと通路が狭いので、みなさんカートを置いてあっちこっちに散って物色してます。
そして私もいろいろ買ってしまった…。
だってクリスマス柄タオルが150円とか。かわいいのに何この安さ。。
こんなに安いならじゃんじゃん買ってクリスマスシーズンを満喫できるもんな。納得。

11時に奥さんとレストランで待ち合わせしていたのでレストランへ向かう。
奥さんいわく「12時くらいになったらレストランが混む」ということで少し早いけどランチ。
疲れた奥さんはカフェでお茶した後にレストランに移動し、引き続きまったりしてました。
おかげで少し並んだだけで済みました。
朝のツアーバスのなかで70krのレストランクーポン券をもらいました。 確か、11時〜13時までの時間制限あり。
もらった時は70kr(約1,050円)までか〜と思ったものの、ランチも安かった。
私はWallenbergというメニューを選んだ。
奥さんも全てのスウェーデンの伝統料理をあまり知らないらしく、前に並んでた母娘に聞いてくれたところ、Wallenbergはハンバーグでいわゆる Pannbiffですよという。
メル友のセシリアが「スウェーデン料理にPannbiffというハンバーグがあるんだけど、みんな大好きなメニュー。でもうちのママのが一番!」と 言っていたのを思い出したのでそれにした。
ビーフとポークのハンバーグだそうです。
Wallenbergは48kr、約720円。コーヒーが8kr、約120円、クネッケブロード(板状のパン)はいくらか忘れたけど、合計で70kr以下だったので ランチ無料!ステキ!
味もそこそこおいしかったので満足〜。
奥さんの言ったとおり、食べている間にどんどん混んできて、長蛇の列に…。 軽く50mくらい?すごすぎる…。
ランチ後も別々に買い物してレジ外で待ち合わせ。
コットン80枚入りが5,59kr(約90円)、アイクリーム74,95(約1,150円)、リップクリーム19,95kr(約300円)、 メイク落としコットン20枚入り9,95kr(約150円)。
結局、写真に移っている以上の他にもいろいろ購入しました。
来る前は洋服とかアクセサリーとかファッションものを買おうかと思ってましたが、来る前の想像とは全く違う買い物になりました。
奥さんと合流すると、奥さんはめちゃくちゃ大きなバッグをしょってました。
しかも重そう。
何買ったの!?と聞くと、義理の父母へのプレゼント以外に「ジェイミー・オリバーのフライパンがあったから買っちゃった! 前から欲しいなーと思ってたんだけど、ものすごく安かったから。」だって。
ほんとになんでもあるんだなぁ。
とりあえず目的は果たしたので、バスの集合時間まで周りのお店をぶらぶらしようと思います。

ホームセンターの周りにはアウトレット店やホームセンターと同じく激安のお店が並んでいます。
カフェや軽食のお店の他に洋服、靴、ゲーム、花屋、楽器、スポーツ用品、アウトドア用品、そして驚いたことに銃器などいろんなお店がある。
さらに驚いたのが、変な下着やエログッズの専門店があったこと…。
スウェーデンではポルノが禁止されていると聞いたことがあるので、うっかり入ってすっごいびっくりした。
本屋もあったので安かったら買ってみようかなと入ってみた。
どれも新品っぽいけど、やっぱりすごく安い。
スウェーデン語の勉強に、簡単な絵本と本を買ってみました。
それぞれ10kr〜20krくらい(約150〜300円)なので3冊で合計45kr(約700円)!安い!

さらにこのあたりをぶらぶらしていたら、パブやら薬局やらあり、その向こうには家が立ち並んでいるのが見える。
他の町や村から離れた山奥なので、住んでいる人のほとんどがウッラデとその周りの店で働く人なんだろうな。
しかも、買い物客のためのホテルまであった!!
確かにへんぴな場所にあるけど、泊まりがけまでしてここで買い物したい人が多いらしい!
全体の地図をみるとわかるんだけど、ウッラデのホームセンターを中心に、ちょっとした村が形成されているのです。
そう考えると、確かにスウェーデン最大のショッピングセンターだと言える。
ていうか日本ではありえない。
このウッラデ、今年でオープン50年だそう。意外と古い。
朝も早かったし、驚くことばかりですごく疲れたけどいい買い物ができたし楽しかった。
また機会があったら行ってみたいな。