ベルリンはアートの街

ベルリンにはアーティストが集まってくるらしい。
そんな話をよく聞いてました。
ベルリンに引っ越したジュエリー・デザインを学ぶ友達は、ベルリンはジュエリーを勉強する場所じゃなかった、と言ってました。
なぜなら「ベルリンはお金のないアーティストばっかりだからジュエリーが売れないの」。
それでも、ベルリンの街を歩くとベルリンの街のあちこちに大小さまざまなストリートアートがあり、ギャラリーが軒を連ねています。
お金のないアーティストばかりなら、ギャラリーがあっても売れないんじゃ?
そう思っていたら、「絵画とかのアート作品は観光客に売れるんですよ。ベルリンにギャラリーがたくさんあるの知ってるから、金持ちが買いに来るんです。」だそう。
やっぱりベルリンはアートの街。
壁だけでなく、ストリートアート、映画の舞台など芸術のベルリンを堪能、ついでに観光もしました!

ベルリンのストリートアート

ベルリンの街を歩いていると、たくさんのストリートアートを見かけます。
ベルリンでは、建物の脇の平面にアートが書かれているのをよく見かけます。
とにかく大きいのでインパクトがありますよね。
日本だったら、間違いなく宣伝広告に使われると思うのですが、こういうふうにアートにするのはベルリンらしくていい。
アートの街という個性を作っているという意味で、観光客にもアピールしてる。

Michael Fuchs Galerie

Michael Fuchs Galerieというギャラリーは、Ehemalige Jüdische Mädchenschule(旧ユダヤ人女子校)の4階にあります。
インスタグラムで見つけて、ギャラリーも旧ユダヤ人女子校の建物もとても雰囲気が良さげ。
しかも、今回メインで行きたかったミッテ地区にあるというので行ってみることにしました。
エントランスから、色使いや床と壁のタイルが独特でとってもステキ。
1階にはレストランとカフェがあります。
カフェMOGGでお茶しようとしたら満席で入れず。残念。
この建物の3階にはケネディ博物館があります。
ここに来る時少し迷ったので通りすがりの人に道を聞いたのですが、みんな「あぁ、ケネディ博物館の建物ね」と言うので知りました。
ケネディ元大統領は歴史的にもベルリンと関わりがあるし、地元の人にとって有名な場所なんでしょうね。
他にもいくつかギャラリーが入っているのですが、4階にMichael Fuchs Galerieがあります。
ずばぬけて雰囲気がいいです。訪れた人がみんなインスタグラムに投稿するのがわかる。
私が訪れたときは、Andreas Golderというアーティストの絵が展示されてました。
ダイナミックな作品が多く、「落書きじゃん」と言ってしまえばそれまでですが、ごちゃっとしたものが多いのでぼんやりと見続けてしまう不思議な作品でした。
無料なので、建物も含めて美術観賞しに来るのにぴったりだと思います。

Michael Fuchs Galerie(英語)

KW Institute for Contemporary Art

旧ユダヤ人女子校のななめ向かいにあるのはKW Institute for Contemporary Art(KW 現代芸術大学)
学校と言ってもいろいろな展示も見られるので、美術館巡りのひとつとして訪れてもいいと思います。
ベルリン現代芸術大学の画像 ベルリン現代芸術大学の画像
風になびくフラッグときれいな建物が目を引くのですぐわかる。
入口にカフェCafé Bravoの看板が出ているので、展示やアート狙いじゃなくても入りやすいのがいいところ。
私はカフェ目的で入ったのですが、とにかく中庭がとても気持ちいいし、飲み物も食べ物もおいしいのでカフェだけでもおすすめ。
次に訪れたら、是非展示なども見てみたいです。

KW Institute for Contemporary Art(英語)
KW Institute for Contemporary Artの向かいの建物の壁もアート。
建物を出ると目に入るので、みんな立ち止まって眺めていました。
張り紙には『We are one』『I Love ME』『Love each other』『Just be you』などメッセージがあり、FacebookやInstagramで引用をよく見かけるこの時代らしいなと思いました。
さらに『Jesus love you』『Alla love you』『Budda love you』というメッセージも紛れていて、人によって受け取り方は違うと思います。
けっこう宗教的なアートですが”それぞれの神はみんなを愛しているんだから、私たちもみんな愛を持って接しましょうよ”という意味を感じました。

ラン・ローラ・ラン!

ベルリンの壁を見にイーストサイドギャラリーへ行くついでに、Oberbaumbrücke(オーバーバウム橋)に寄ってみました。
イーストサイドギャラリーについて調べていたら、見所のひとつとして載っていたのでついでに行ってみることに。
さらにオーバーバウム橋について調べていたら、映画『ラン・ローラ・ラン!』のロケ地のひとつだという。
懐かしい!!(1998年日本公開)テクノをBGMに街を走りまくるローラがかっこよかったなぁ。
そうか、あれはベルリンだったのか〜。
Warschauer Straße駅で降りて、橋の方面に道をまっすぐ歩く。日差しが強くて暑かった!
遠目からでもゴツいゴシック建築が目立つのですぐわかる。
正直、映画のシーンは覚えてないけど確かに絵になる場所ですね。
レンガの規則正しい模様と鉄柵のデザインの重厚さはドイツらしい。

ベルリンの壁を見た

前回の滞在ではトポグラフィー・オブ・テラーのほうを見に行ったので、今回はイーストサイドギャラリーへ行ってみました。
普通に車がびゅんびゅん走る大きな通りのすぐ脇に壁があってびっくり。
ベルリン一の観光地なだけあって人がたくさん。
遠くまでずーっと壁が続いていて、向こうのほうまで人が見える。
これだけの長さなので、ひとつひとつ作品をじっくり見ているとかなり時間がかかります。
私は途中で歩きながら流し見てましたが、1時間くらいかかりました。
もっと時間をかけてゆっくり見たいという場合は、壁の途中でシュプレー川沿いにカフェがあったりするので、ひと休みしてみるのもいいかも。
一番有名な『独裁者のキス』(左)はさすがの人だかり。
たまたま団体が写真を撮り終わった後が空いたので、タイミングを見計らって撮りました。
他に気に入ったのは、カラフルで力強いこちらの作品(右)。
ペレストロイカとかユネスコなどの言葉の他に平和を祈る絵なども盛り込まれていて見応えがありました。
すごく細かいのでじっくりと長い時間見てしまった。
他の作品も、やっぱり平和や人権などに関するテーマのものが多く、眺めていると力が湧いてきます。
壁の裏側も見る事ができます。
でも、ほとんどがただの落書きなので、特に見なくてもいいかなという感じ。
もともとベルリンの壁は二重で作られていました。
なので、ここイーストサイドギャラリーでも一部、壁が二重になっているところがあります。
実際にその二重の部分を歩くこともできるので、歴史を体感したい方は行ってみるといいかも。
いろんな作品を見る事ができて、とても楽しかった!
考えさせられたり、力をもらったり、クスリと笑えるものもあったり。
有名な観光地だけあって活気もあり、天気がいいと散歩にもなって気持ちいい。
まさに野外美術館。
太陽の光を浴びながらアートを見られるなんて、なかなかないですよね。
ただ、それにしても…ラクガキがひど過ぎて悲しい。
こんなにひどいとは思っていなかったので、すごくショック。
アーティストの作品の上によくラクガキできるよね。
ラクガキがなければとても素敵な作品なんだろうけど、ラクガキがあるせいで全くわからない。
ラクガキでも、元の作品を引き立てるようなものだったらいいと思う。
ラクガキを含めて作品になってしまうくらいセンスのあるものだったらいいかもしれない。
でも、ここにあるのは子供じみたただのラクガキ。
残念です。

メルセデス・ベンツ・アリーナ

メルセデス・ベンツ・アリーナの画像 ちなみに、イーストサイドギャラリーの路を挟んだ向かいには、メルセデス・ベンツ・アリーナがあります。
どうだ!と言わんばかりにドイツらしい光景。
ベルリンの街を歩くと、しょっちゅうメルセデスのあのマークを見かけるのですが、まさかアリーナがあるとは思わなかった。
建築といいロゴといい、イメージがぴったりでかっこいい。

壁からの帰り道

ベルリン東駅の画像 イーストサイドギャラリーからの帰り道は、Berlin Ostbahnhof駅から。
着いてみてびっくり。
ガラス張りでピカピカしてて、とっても大きい。
レンガ造りとか古びた駅しか見た事がなかったので、こんな駅もあるのか〜とびっくりした。
中に入るととても広くて、カフェやお店がたくさん入ってた。
お土産物屋さんもあるみたいなので、ついでに寄ってみてもいいかも。

Berlin Ostbahnhof駅 ショップリスト

Kaiser-Wilhelm-Gedächtniskirche(カイザー・ヴィルヘルム記念教会)

カイザー・ヴィルヘルム記念教会の画像 泊まっていたホテルからベルリン動物園駅へ向かう途中で大きな教会が見えたので、翌日に行ってみました。
近づいてみると、かなり大きくて古い教会。
最新のファッションブランドが並び、観光客でにぎわう街にあるのが違和感。
でもやっぱり、というかだからこそ、無惨に崩れた部分や黒く焦げたところを見ると歴史を感じます。
いまはこんなに平和だけど、たった数十年前には戦争してたなんてほんと信じられないわ…。
あんまり期待せずに中に入ってみたら、壁に描かれた絵の素晴らしさにびっくり。
損傷が激しいのが残念ですが、金色をふんだんに使った色彩は絢爛豪華。
絵も緻密で見れば見るほどその繊細な絵にため息。
床のタイル模様も素敵だった。
そして窓際にたたずむイエス。
たいていの教会ではイエスってはりつけになっているので、ちょっと珍しい。
背中に光を受けたイエスはやっぱりカリスマ性あるわ〜。
夕暮れに訪れたら、また違う印象の姿を見る事ができそう。
この素晴らしい教会を存続してもらうために、帰り際に募金箱に心ばかしの金額を入れてきました。
ベルリン教会の画像 ベルリンの教会の画像

戦勝記念塔

地図に載っていたSiegessäule(戦勝記念塔)
森を抜けた先にあったので、観光地っぽいしこれ目指してウォーキングするか!と思い立ち、行ってみました。
森を抜けるととたんに視界が開け、せわしなく行き交う車と高くそびえる高い塔が目に入ります。
しかも塔の先端には黄金に輝く像が立っている。
夕暮れ時だったので夕陽を浴びて強い光を放っており、とても神々しい。
おぉ〜これか〜と近づいてみたら、あれ?なんか見たことある…。
すっごいすっごい見たことあるんだけど、何か思い出せない。
ベルリン教会の画像 ベルリン教会の画像
ベルリン天使の詩の画像 ホテルに帰ってから調べてみたら、なんと映画『ベルリン天使の詩』で使われているではないですか!
天使がベルリンの街を眺めている、有名なシーン。
ポスターやDVDジャケットにも使われてました。
かなり前に観たけどお気に入りの映画だったのでなんとなく覚えていたらしい。
次の日も見に行ってみて「あそこに天使が乗っていたのか…」とじわじわ感動。
この映画が好きな方は、絶対訪れるべき場所です。

ところで、調べていたら先に訪れたカイザー・ヴィルヘルム記念教会も映画に登場していたことが判明!
この映画はベルリンの代表的な場所が使われているんだなぁと感動。

※画像はこちらからお借りしました→ made for minds.

Tiergarten(ティアーガルテン)

ベルリン動物園の近くのホテル滞在を決めたのは、空港からの便が良かったのと、大きな公園があったから。
ヨーテボリではスロッツスコーゲンという大きな公園で毎日のように歩いていたので、ベルリンでも歩きたかった。
ホテルからベルリン動物園の前を通り、ティアーガルテンへ。
ティアーガルテンの画像 ティアーガルテンの画像
ベルリン動物園のほうから入ると、普通の公園らしく開けた空間が広がり、のんびり散歩したくなる感じ。
スウェーデンほど多くはないけど、夕方になると次第にジョギングしている人とすれ違います。
駅前のごみごみした場所に比べるととてものんびりして空気もフレッシュ。
それにしても、街灯がゴツくてとってもドイツらしい。
ティアーガルテンの画像 ティアーガルテンの画像
ティアーガルテンはスロッツスコーゲンとは少し趣が違い、市民の憩いの場と同時に毎日の通勤路でもあるようす。
夕方に行っていたのでちょうど通勤時だったのかも。
せわしなく歩く人や自転車と、ベンチに座ってのんびりおしゃべりするおばさん達がいたり。
何かの集まりなのか、音楽を流しながらピクニックをしている熟年男女のグループもいた。
ここはかなり広いので、ピクニックしたくなる公園らしい場所もあれば池があって木々がうっそうとしている森のような場所もあってなかなか楽しい。
やっぱり都会でせわしない毎日を送っていると、こういう自然がたっぷりある空間があるのはいいですね。

ベルリン!

今回のベルリンは滞在エリア(ベルリン動物園)が正解だったのと、行きたい地区をしぼった(主にミッテ地区)ので短いけど充実した滞在でした。
ベルリンは広いし、見所も楽しみ方もたくさんあるので何度も行きたくなる街。
次の滞在はどこに行って何をしようかな〜?