スウェーデンの田舎暮らし

2013年、初めてヨーテボリにプチ留学したときに滞在したのは、Airbnbで見つけたお宅。
スウェーデン人とマレーシア人のご夫婦のアパートメントの一室に宿泊して、一ヶ月経つ頃には仲良くなってました。
翌年の2014年に彼らに子供が生まれ、それを機にスウェーデンの田舎へお引っ越し。
ちょうど私が滞在する数ヶ月前に引っ越したということで、彼らの新居に4泊ほど滞在させてもらうことにしました。
かわいい〜息子くんと遊びつつ、スウェーデンの田舎暮らしと美しい自然を体験できた旅になりました。

ヨーテボリから車で1時間

友達夫婦の新居は、ヨーテボリから北へ車で一時間ほどの町。
町、というか村。
JörlandaとStora Högaの境目くらいの場所にありました。
ヨーテボリの街から少し離れただけで、緑の多い景色に変わります。
車内では、2年ぶりに再会した友達夫婦とあれこれおしゃべり。
私の2年は大して変化はないけど、彼らは子供が生まれたり田舎へ引っ越したり大きな変化があり話が尽きません。
「やっぱり子育ては田舎でしたい」「車で通勤しているけど、会社はヨーテボリの手前だから一時間かからないくらいだし、苦じゃないよ。」 「何かあればすぐにヨーテボリまで行けるから便利だしね。」 東京から来た私からするとヨーテボリはのんびりしていると思うけど、こちらではヨーテボリは都会で住みにくいようす。
やっぱり子供ができると生活も変わるし、考え方も変わるんでしょうね。
どんどん小さな道へ入って行き、もうすぐお家に到着です。

憧れの一軒家

緑に囲まれたなだらかな坂道をのぼって行くと、家が見えてきました。
どーんと一軒家!
家の大きさにもびっくりですが、庭というか敷地が広くて開放感がすごい。
思わず「わー!すごい!」と叫んでいたら、夫君が「前に泊まったヨーテボリのアパートとは全然違うだろ?」と自慢げ。
もともと夫君はこの村の出身。
以前は70歳くらいのおじいさんがここに住んでいたけど、年寄りの一人暮らしには大き過ぎるし何かあったら大変ということで引っ越したらしい。
その際、知人を通じて激安でこの家を買わないかと声がかかり、引っ越す事に決めたんだそう。
        高台にあるので庭からの景色がいい!
        朝にはうさぎや鹿などの野生動物が現れることもあるらしい。
       鳥のおうち。
       スウェーデン人は、自然のあるところに必ず鳥の家を作ります。
       家の庭、森、公園など、たぶん鳥の家を作らずにいられないのではないかな。
家から外に通じる道はここから。
高台にあるので、出るときはなだらかな坂を下ります。
外出するときと家に帰ってくるとき、風景が違うのもいい。

Home sweet home

お家のなかは、とっても暖かいインテリア。
こちらは一階のリビングルーム。
まだ30代の夫婦なのに、”田舎のおばあちゃん家”という感じが既に漂ってます。
でも、田舎暮らしはやっぱりこういうイメージですよね〜。
入った瞬間、「ただいま〜。あ〜家が一番だよね」と言いたくなる。
ゲストルームはリビングルームの奥にありました。
こじんまりしていますが寝るのにはじゅうぶんな広さ。
ベッドはダブルなのでカップルでもOK。
クローゼットもあり、窓から庭が見えて気持ちいい。ずっと居候したいくらい。
ちなみに、バスルームは一階と二階の両方にあるので気兼ねなく使えて便利。
一階にいるだけで十分ですが、友達の家に泊まっているので一階はシャワーと寝るだけ。
寝室としてしか使ってませんでした。
たいてい二階にいて、パソコンをいじったり友達とおしゃべりしたり息子のエイリアス君と遊んだり。
ただ、友達が風邪を引いてしまって寝込んでいたので、二階でパソコンをいじって写真の整理やドイツの航空券やホテルの予約をしてました。
(旅行中に次の滞在地への航空券や宿泊先を予約してた…)
1歳半のエイリアス君。
私の荷物を運んでくれるみたいです。
子供って、スーツケース押すの好きですよね。

暮らしのメインフロア、2階

2階が家族のメインフロア。
すごく広ーい!
ここは一番奥にあるプレイルーム。
窓が広くてとても明るい。
子供も大人もここで遊びます。
エイリアス君のおもちゃもたくさんあり、大人にはオーディオや本、お酒など置かれています。
居心地がいいので、何かとここに集まってしまう。
2階のリビングルームにはリアル暖炉もあります。
幼児がいるので、暖炉の周りには柵がつけられてます。
そして薪はかごのなかに。
カントリーっぽくてかわいい〜。
エイリアスはお掃除ロボットが気になるらしく、追いかけ回してました。
でもこっちに向かってくると怖いらしく、一目散に逃げて来る。
こちらはダイニングルーム。
明日のパーティの準備中の様子なので、ごちゃごちゃしてます。
なんで洋服がかかったラックがあるのかわかんないけど…。
引っ越して来て間もないので、いろいろと片付いていなかったり中途半端なところがあるらしい。
それにしても、家具がカントリーテイストで一貫しているので家庭らしさが溢れています。
日本でも人気のいわゆる”北欧インテリア”ではなく、こういうちょっと野暮ったいインテリアがスウェーデンの典型的な田舎のクラシックなんだと思います。 モダンでかっこいいインテリアもいいけど、やっぱり田舎はこういうのが落ち着く。
エイリアスくんへのお土産は、アンパンマンのスナックとトミカのパトカー。
どちらも大好評で良かった。
食の細いエイリアス君。
スナックしか食べないので成長も遅く、「保育園でも一番身体が小さい」とご夫婦ふたりともとても心配なようす。
スウェーデンの幼児用スナックって、ほとんど栄養がないんです。
なので、日本のおかしのカルシウム入りとか喜んでました。
それならもっと買ってくれば良かった〜。
パトカーは、やっぱり男の子はみんな好きだね。
夫君とその友達はパトカーを見るなり「おぉ〜」と興味しんしんに手に取り、「すごいな。ちゃんとサスペンションなってるよ」 と楽しそう。
男性はみんな車が好きだね。
バルコニーからの眺めはもちろん最高!
なんと、望遠鏡をのぞくと、遠くにある灯台と海が見えます。
私がのぞいたときは、ぼんやりヨットも見えたり。
なんてことない風景だけど、ついずっと見てしまう。
到着してひとしきりお家の内外を散策したらみんなでFika。
スーパーで買ってきたというクラシックな焼き菓子は意外とおいしかった。
天気がいいのでバルコニーでお茶となりましたが、結構風が冷たくて「もう秋だねぇ…」という空気。
それでも、なにしろ景色がいいので風を受けながらお茶しているととてもいい気分になります。
私もスウェーデンで過ごすようになって、すっかりオープンエアでのお茶が好きになりました。
ご近所には、スウェーデン人夫君の両親が住んでいます。
お父さんは農家だったそうで、下の土地で農作をしていたそう。
なので、たまにお母さんがベビーの面倒を見にきてくれます。
子供がいると、実家が近いとほんと便利ですよね。
それにしても、グランマは大きくて貫禄あるなぁ…。
一見ちょっと怖そうなグランマは猫好き。
でも旦那さんが猫アレルギーだそうで外飼いしてるそう。
その猫が子猫を産んで、グランマ家の庭は子猫が走り回ってました。
こちらはキッチン側のバルコニー。
キッチンと続いているランドリールームから出られます。
キッチンから直接出る事はできないけど、キッチンの窓から食器や食べ物を出し入れできるのでとっても便利。
それにしても、毎日家事をしながらこの絶景を見られるなんて…。
確かにヨーテボリではなかなかできない生活です。
キッチン側のバルコニーから見える景色。
どこまでも続く木々と空。
夕陽の当たる様子もとてもきれい。
冬の雪景色もきれいだろうなぁ。

ご近所はみんな家族

スウェーデン人の夫君の実家はすぐご近所。
裏手には伯父さんのお家がありました。
こんなに家族が周りに住んでたら何かと安心だね〜と話していたら、「ついでに、すぐ近くの青い家は兄夫婦の家だよ。もうすぐ引っ越してくるんだ」だそう。
まだ建設中なので、完成したら引っ越して来る予定らしい。
まずびっくり。岩の上に建ってる!
地盤はパーフェクトだね。
というか岩の上に建てられるんだね。
近所には他にも何軒か建設中のお家があり、最近ヨーテボリなどの街から田舎暮らしに憧れて引っ越して来る人が多いとか。
日本と同じだ〜。
ちなみに、ここらへんでは最近青系のお家が人気だそう。
日本の田園風景ではありません。
ここ一帯は夫君のお父さんの土地で、昔は農場だったらしいです。
反対側には大きな納屋などがあり、一番手前の小さな家は使用人の家だったとか。
家族だけだと大変だから、お手伝いの人を雇っていたそうです。
あぁ、まるで「やかまし村」みたい!
この道は、家のある村のメインストリート。
唯一、舗装された道です。
この道を通って町の中心まで行けます。
近所には野生の花がたくさん咲いてました。
これはLjung(リュング)という花で、英語ではHeather(ヘザー)。
夫君によると、「スウェーデンではよく見かけるし、人気がある花だよ」とのこと。
確かにヨーテボリ市内の花屋さんでもたくさんあって、良く見かけるなあと思ってました。
都会では鉢で売られているものが、ここでは一面に咲いています。
家の敷地から少し下った道ばたにあったもの。
古い木の台に、ランタン、バケツ、自転車。
植物に覆われているようすから、長いあいだこのままだったんだろうなぁ。
前に住んでいた住人が使っていたものかな?

バーベキュー・パーティ

今回も、私が着いた翌日に友達がパーティを開いてくれました。
今回は過ぎ行く夏を惜しみつつ、2階のバルコニーでバーベキュー・パーティ。
ラッキーなことに、この日も晴れてバーベキュー日和!
男性陣がじゃんじゃん焼いています。
写真で焼いているのは肉のパテとマッシュルーム。
パテ?と聞いたら、自分の好きな具でハンバーガーを作るんだよ。とのこと。
「チーズバーガーが食べたかったら、スライスチーズを乗せて焼くよ〜」
こういうバーベキューもあるんだね。

適度に具材が焼き上がってきた頃、自分で好きなバーガーを作ります。
みんなのやり方を見ていたら、ホテルの朝食みたいにちょいちょいっと具を取って作っている。
みんな慣れてるな〜!
やっぱりバイキング(ビュッフェ)の国なのね。と感心。
これが、やたら美味しくてびっくり!!
ストックホルムで食べたPRIME BURGERのハンバーガーも美味しかったけど、あれとは違う美味しさ。
PRIME BURGERがシェフが作った料理だとしたら、こちらはローカルな飲み屋の絶品料理という感じ。
前日まで「すっかり秋だね!」という気温で、もう冬?というくらい寒い日もあったのにこの日は夏日。
庭の温度計を見たら22℃。女性陣は生足で半袖ワンピース。
赤ちゃんが焼もろこしをはむはむしてました!
むちゃくちゃかわいい〜。
こちらはスウェーデン人パパと中国人ママの赤ちゃんです。
もちろんまだ食べられないのですが、はむはむして喜んでました。
ちなみに以前からすごく不思議なのは、北欧で女の赤ちゃんにつける、ヘッドバンド…。
この赤ちゃんも付けてて、特別かわいいわけでもないし、何でつけているのが謎でした。
この後訪れるアイスランドでも見たし。
最近ふと気付きました。
あれは、赤ちゃんのおめかしなんですね、きっと。
ヘッドバンドを付けるとおめかししてかわいい。という文化があって、それが普通なんだな。
デザート、というかFIkaはワイン・ケーキ。
このケーキ、スウェーデン語のスイス人クラスメートが最終日のフライデー・フィーカに持って来てたもの。
あんまり美味しかったので褒めちぎったところ「残りは全部あげるから持って帰って!」と言ってくれたので持って帰りました。
やや押し付けられた感がありましたが、翌日にはこの友達の家に来る予定だったのでみんなで食べよう〜と。
そうしたら翌日にバーベキュー・パーティがあったのでちょうど良かった!
あっというまになくなりました。
ところで、テーブルの上が北欧デザインの見本市みたいになってます。
スウェーデンでは、一般的に家具などはひとまずIKEAで買いそろえます。
食器やキッチン用品もIKEAで買うことも多いのですが、それだけじゃなく有名ブランド、老舗メーカーのものも持っていたりします。
こちらのカップはRörstrand(ロールストランド)のもの。
スウェーデンのファッションブランド、Filoppa K(フィリッパ・コー)とのコラボ。
友達から結婚祝いとしてセットでもらったそうです。
スウェーデンではコーヒーをよく飲むし、こんなふうにホームパーティもたまに開いたりお客さんを招くのが好きな人も多いので、 カップや食器類のプレゼントはとてもいいですね。
       夕方頃、暗くなる前にパーティはお開き。ヨーテボリや隣の町など、それぞれの家へ帰って行きました。
       パーティ好きな彼らなので、子供が生まれてなおさら人が集まる機会が多くなりそう。
       彼らの田舎暮らしは始まったばかり。
       家族や友達とこれからの日々を楽しく過ごせそうでなによりです。

ほかの日記は こちら!