June 29 2005 Roskild Festivalへ!体がだるくて7時に目が覚めてしまったので起きることに決め、朝食を食べにレストランへ。こじんまりとしたレストランに、これまたこじんまりした朝食が並んでいた。 朝はフルーツと野菜で栄養補給だ!と考えていたのに、どちらもなかった。 フルーツはあるんだけど、缶詰のフルーツみたいな、シロップに浸かっているものだけ。 卵料理もなく、あるのは多種類のパン類とチーズのみ。北欧っぽいなぁ。 まず、デニッシュ系が7種ほどずらっと並び、白・茶の食パンと、丸い田舎パンやしっとりした甘くないパンが数種。 パン好きにはたまりません。 他にはシリアルとミルク、ヨーグルト、オレンジジュースなど。 既に生地はしんなりして全然さくさくしてないんだけど、なんかおいしい。 茶色のパンはしっとりもっちりしていて、穀類の酸味があるパンだった。 このパンにハーブのチーズを乗せて食べてみたら、すごくおいしくて幸せ~! あーうれしいな。 日本はもちろん、外国でも朝のパンがおいしくないところもあるよね。 どうやったらこんな不味さに!?こんなパンならいらねえ!とテーブルをひっくり返したくなるもん。 それはさておき、各テーブルには既にコーヒーポットが置いてあったのでがぶがぶ飲みました。 |
部屋へ戻り、フェス会場下見のため支度をして駅に向かった。 さて切符を買おう、と自販機へ向かうと、その自販機は全てデンマーク語だった・・・。 よく考えれば当たり前なんだけど、英語表記もあるんだろうなと思ってたの! うーん、じゃカウンターか。 みどりの窓口らしきガラスばりの部屋へ入ると、広いL字のカウンターがあり、何人か椅子に座って待っている。 時刻表を手に取ってみるが、全てデンマーク語。 うわー、国民のほとんどが英語もしゃべれるけど、全てが英語版もあるわけじゃないのね、と自らの甘さを少し反省。 とりあえず周りの様子を見ていると、カウンターの中央に電光掲示板があり、数字が時折変わる。 用事のある人は番号札を取って、その番号が表示されたカウンターへ行く仕組み。 その札を取る所にボタンが2つあり、それぞれに「Danmark」「International」と書いてある。 んー、デンマーク語と外国語ってことかな?と思い、Internationalのボタンを押して番号札を取る。 間もなく自分の番号が表示されたのでカウンターへ。 「ハロー。I want to go to Roskild.」「What?」あっさり聞き返されます。 Roskild のRの発音が難しいとは本で読んだけど、やはりそうなのか、と思い再度はっきりと大きな声で「Roskild!」と言うと、「あぁ、それは向こうのカウンターだよ。1番と2番のカウンター。」 そのカウンターは番号札ではなく、並んで待つカウンターだった。 既に一組(小さな子供と、お母さんとおばあちゃんらしき3人)がいたのでその後ろに並んだ。 小さな女の子が上目遣いで私を見ている。 アジア人が珍しいのかな?と思いニコリと笑顔を向けると、恥ずかしそうにお母さんにしがみついた。 子供の反応って、どこでも同じだなぁ。 自分の番になり、また「I want to go to Roskild 」「?」 ややへこみつつ「Roskild」と言うと「Oh,Oneway?」と聞かれたので「あ、No」と答えると往復なのね、というようなことを言ってお姉さんが切符をくれた。 日本で自動改札機になる前の、パチンと穴をあける頃の切符みたいな、厚紙の切符。 手触りに懐かしさを感じた。 見ると、24hourと書かれているので一日自由乗車券のようだ。 ホームがわからなかったので「エクスキューズミー、Where is...?」と駅の地図を差し出すと、「Uh,Wait a minuites!」と、奥で時間を調べて紙切れに時間と乗り場を書いてくれた。 そして「ホームでイエローボックスにこうやって切符を入れるのよ。こうやってね。Okey?」と説明してくれた。 駅の中央にはモニタがあり、そこに時間順に全ての電車の行き先、時刻、ホームが並んでいる。 あぁ、これ結構便利かも。それぞれの行き先のモニタを探さなくていいもんね。 |
ホームに降りると、確かに黄色い箱があって、みんな切符を差し込んでいる。 私も早速差し込んでみると、ガチャンという音がして、切符の端が切り取られていた。 ホームにはすでに電車が停まっていて、一瞬乗るのをためらってしまった。 日本で言うところの「特急」みたいな立派な電車なんだよねぇ。グリーン車どこ?みたいな。これが普通なんだよなぁ、と乗り込む。 乗ると、広いスペースがあって、自転車やバックパッカーが大勢乗り込んでもどんどん収まる。 私は端っこに座った。何の前触れもなく、静かに電車が出発した。 そう、発車のベルが鳴らない。 しかも、電車のドアは手動開閉になっていて、乗るときも降りるときもボタンを押してドアを開けるのだ。しばらく開いたあと、自動で閉まる。 だから閉まっても発車とは限らない。 ここまで利用する人に委ねたシステムは日本では考えられない。 私は、これはいいことだと思った。 利用する側が責任を負うのは当然だということ。そこまで面倒みませんよ、ということでしょ。これは当たり前だよね。 それに、お年寄りや体の悪いひとでもゆっくりその人のペースで開閉できる。 |
![]() 走り出した電車の中から外を眺めていたら、どんどん景色が変わった。なだらかな草原、かわいい家並み、工業地帯。なんだか、北海道みたい・・・。 Roskild駅に着くと、一気にロックな空気が充満していた。 さすがにすごい人の多さ!しかも平均年齢も若いし、キャンプ組も多いし、熱気むんむん。しかもみんな背が高くて私なんて埋もれちゃって踏まれそうです! とりあえず人の波に乗って外まで出た。うーん、どっちだろう。わからないからこのまま流されて行けば着くかなーと思い、通りを渡る。 広場にはたくさんの屋台と露店があった。さすがにロックなグッズやサイケなものが多い。まるで原宿か渋谷みたい! きょろきょろしながら歩いて行くと、インド系のアクセサリー発見。かわいい女の子とスパニッシュっぽいアフロのかわいい男の子のカップルが出してる露店だった。 インド系はやっぱり多いんだけど、ここのはライトなインド系で、センスいい。 思わずしゃがみ込んで見入っていると、「May I help you?」と男の子がにこにこしている。 わたしもにっこりと返すと、連れていた黒いレトリバー犬がふらふらと隣の露店の方へ放浪し初め、男の子はアワアワと追いかけて行った。 私は再び物色をしていると、女の子が「Hi.Where you from?」と聞いてきたので「ジャパン」と答えると「What?」・・・私、Japanの発音が苦手! 今度はデンマーク語で「ヤーパン」と答えると「Oh,Can you speak Dennish?」と聞かれたので「ノー」「 English?」「あー、リトル」と答えると、女の子は「じゃ会話になんないわ」と困って、たまたま現れた友達に声をかけられたのでそちらに行ってしまった。 やっぱり英語くらいはできないとつまんないなぁ、と痛感しつつ、欲しいピアスを決めて、放浪犬を連れて戻った男の子に「エクスキューズミー、I'll take it.How much?」と声をかけた。 すると朗らかに女の子を呼び、お会計を済ませ、女の子がピアスを袋に入れてくれた。 渡すとき「耳に通したら、この留め金をちゃんと留めてね。じゃないと取れちゃうから。こうやってちゃんと留めてね。」と真剣に教えてくれた。 英語ができないから、何度も言ってくれてるんだろうなぁ。とってもかわいいカップルだった。 良い気分でお店が並ぶ通りをてくてく歩く。時々「フェスセール」「フェス特別メニュー」のような看板が目に入る。小さな町なので、一年に一度のお祭りなんだろうなぁ。 ふと気づくと、いつの間にか閑静な場所に出ていた。あり?フェス会場は? 周りを見ても、フェスらしき光景がない。少し焦った。 ちょっと横道へ入ってみるが、ロケンローラー達がいない。 |
道を少し戻って、商店街のような通りにしかいないことがわかった。どういうこと?フェスって、どこでやってるの? 私は駅を出ればすぐにフェス会場まで向かう道があるんだと思ってたから地図を持っていなかった。 人に聞こうにも、知ってそうな人には怖くて聞けない。 ・・・どうしよう。 とりあえず本屋さんに入って店員さんに聞こうと思ったけど、焦っているせいか欲しい本が見つからない。 店員さんも忙しそうに動いていて聞くタイミングがつかめない。 なにしろ、ここまで来て「フェスはどこですか?」なんて恥ずかしくてなかなか聞けなかった。 Roskildに着いて、既に1時間が経過していた。 心細さにますます焦る。 ふとTHE BODYSHOPを見つけたので、ちょうどリップクリームがなくなったところだったしリップクリームを買うついでに聞いてみよう!と思い立ち、入ってみる。 うまい具合に空いていて、リップを見ていると店員さんが「May I help you?」と声をかけてきた。 「保湿のあるリップが欲しいんです」と返し、あれこれ試してナッツ系のリップを購入。レジで「Where is Festival site?」と聞くと「フェスティバル?それなら駅と反対側よ!こっちじゃないの。しかも、駅から遠くて・・・たぶん、車で20分くらいかかるわよ。バスがあるからそれに乗ったほうがいいわ」と教えてくれた。 駅に着いて回りを見渡すが、反対側へどう出ればいいのかわからない。バスはたくさんあるけど、どれがそのバスなのかもわからない。 |
![]() 近くに超パンクな女の子達が座っていた。・・・聞けない。 ものすごく喉が乾いていたけど、賑わうカフェに一人で入る勇気もなく、そばのセブンイレブンでアイスコーヒーを買って一服する。 焦りと緊張で身も心も疲れ果てていた。 もう、ホテルに帰ろうか・・・ 下調べが足りなかった自分を責めつつ、やっぱりこんな英語力でフェスに行こうなんて甘かったのかもしれない。 今日の目標はフェスのパンフレットを貰うこと。それさえもできないなんて。 情けなさに少し泣きそうになりながら、楽しそうに歩く人たちを眺めていた。 冷たいコーヒーを飲むと、じんわりと体に力が戻ってきた。タバコを吸うと、少し元気が出てきたようだった。 フェスに行くためにいまデンマークにいるのに、フェスに行かないで日本に帰るなんてそのほうが恥ずかしい。 逃げちゃだめだ。あぁ、碇シンジくんの気持ちが今すごくよくわかるよ! もうちょっとがんばろう。 |
飲み終わったコーヒーをゴミ箱に捨てて、駅のみどりの窓口に向かう。 そこでフェスに行きたいって言えば、何か教えてくれるだろう。 みどりの窓口に入り、整理番号を取って順番を待ち、自分の番がきたのでカウンターのお兄さんに「I want to go to Roskild Festival.」と言うと「Ah,It's seven.Yeah,Seven.」と一言返された。 とりあえず7番ホームへ向かうと、途中でバックパッカー達が7番ホームの階段下に溢れていた。 なあんだ、簡単なことだったんだぁと安心しながら階段を上る。 階段の上の両端にスタッフらしきお兄さんが立っていて、みんなお金を払っている。 えっお金取るの!?いくらだろう、と思っていると「20KK」ってことは400円くらい? たっかーい!片道なんですけど!? ため息をつきつつお金を渡し、電車(オンボロ)に乗る。 すぐ着くだろう、とドアの脇に立って景色を眺めながらフェス会場へ向かう。 電車の中に置いてあるフリーペーパーを手に取ると、日本の特集があった。 全部デンマーク語なのでさっぱりわからない。 しばらくすると、テントの波が見えた。どこまでも続くテントの波。遥か向こうまでテントしか見えない。その光景に圧倒された。 |
すごい!こんなすごい規模なの!?ヨーロッパで1・2を争う大きなフェスだとは聞いてたけど、納得。これはすごい。 電車を降りると、すぐにエントランスがあった。 とりあえず並んで、受付のお姉さんにおそるおそるチケットカードを差し出すと、受け取ったお姉さんは早口なデンマーク語で何かを話している。 きょとんとしていると、今度は早口の英語で話す。 私も疲れてへとへとだったし、もー何言ってんのかさっぱりわからなかった。 ![]() するとお姉さんはため息をつきながら頭を降り、ちゃかちゃかとパソコンを打ちながら独り言のように説明をはじめ、早口な英語で「フェスティバルのプログラムはデンマーク語と英語があります。はい英語!」と投げやりに英語のプログラムをカウンターに叩き付けた。 これにはさすがの私も相当へこんだ。 ・・・とそれは一瞬で、疲れてたせいですぐにどうでもよくなり「あはははThank you!」と笑い飛ばした。 脇の通路に入ると、「Welcome!」と人の良さそうな男性が二人いて、長い机にリボンのようなものと小さな機械が置いてあった。 「はい腕を出して~」と言われ、腕を差し出すとオレンジ色のリボンをぐるっと私の手首に巻き付け、隣の小さな機械で鉛の留め金を付けた。 もう一人の男性がそれをハサミで切る。おぉ~リストバンドって、リボンなんだ!かわいい! オレンジのリボンにROSKILD FESTIVAL 2005 JULNE29- JULY 4と刺繍してある。 外へ出ると、青く広がる空と豊かな緑、どこまでも続くテントの群れ、わくわくさせるような人々のざわめきがあった。 あーやっとフェスにたどり着いた!!時計を見ると、ホテルを出てから4時間が経っていた。 このときの喜びを、どう表現したらいいだろう? |