ストックホルムのアートについて
北欧の中でも、デザインにかなり力を入れているスウェーデン。
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なんかおどろおどろしくて怖いポスターだなぁ、何をテーマにしたエキシビジョンなんだろう、と思い入ってみました。 常設の展示を見てから、ポスターの展示コーナーを見てみると、どーんと入り口に首切り台が… 木が黒く汚れていて、古いものなんだなとわかる。説明に年号が記載されているってことは、実際に使われていたものらしい。 もう、ここで背筋がぞ~っとしました。 中に入ると、たくさんのアート作品が展示されていて、ほとんどの作品にドクロが使われている。 ひょっとして、”死”がテーマなのかなぁと思いながら進んで行くんだけど、どうも居心地が悪い。 なんかこう、原爆記念館に行ったときみたいな、落ち着かない感じ… ふと見ると、実際に処刑に使用された斧(使用者の写真付)があったりして、思わず顔を背けてしまう。 近くにいた子供が「ママー、こわいよう」と悲しげに言っていて、だよねー?とひとりで納得してすぐにその展示コーナーから脱出しました。 あぁいう”気”がある場所って苦手。 ”DODEN DO”とは、スウェーデン語で「その殺しによる死」というような意味のようです。 クリスマスだからなのかな…。 |
アートを触って見て感じよう!というようなものでしょうか。 私が中へ入ってぼーっとソファに座っていると、「わからないことがあったら何でも聞いてください。どこからいらしたのですか?」と英語で担当の男性が話しかけてきました。 日本です、と答えると、「あぁそれなら”北斎漫画”というのがあるんですよ。こっちです。どうぞ!」と嬉しそうに言う。 疲れていたので内心めんどくさいなーと思ったのですが、嬉しそうな担当さんを見ると邪見にできなかった。 北斎ねぇ、と思いながら画面の前に立つ。 担当さんの話によると、ストックホルム国立美術館に”北斎漫画”の実物が保管されており、この画面で中身を全て見ることができるそうだ。 指でページをすうっとなぞると、本当に本をめくるようにすうっとページが動く。 さらに北斎の絵ひとつひとつに解説があり、”漫画”だけに台詞も出る。(全て英語) しかも、その動作のスムーズなことにかなり驚いた。 操作に全くストレスを感じず、すいすい扱える。すごい! しかも、その解説が細かいのにわかりやすく、「へぇ~そうなんだ~」とついつい感心してしまう。 日本人失格? |
中世に使われていた楽器や、世界の様々な楽器が飾られていて、音楽好きならかなりの見応えがある場所。 素晴らしいところは、それぞれの楽器のそばにはヘッドフォンが付いていて、古い楽器の音色を音楽で聴くことができるところ。 ひとつづつ聞き惚れているとあっというまに時間がなくなります。 ここは子供達もたくさん来る美術館で、”プレイルーム”にあるいろーんな楽器で好きなだけ遊べます。 ほんとうにみんな(大人も…)楽しそうにわいわい太鼓を叩いたり笛を吹いたりして賑やか。 他には期間によっていろんな展示をしています。 このときはスウェーデンのいろんなジャンルのミュージシャンの音楽やインタビューを聴くことができたり、楽器の歴史を音を当てるゲームで辿るコーナーなどがありました。 そして当然のことながら、ABBAのコーナーもあります。国民的アイドル! ちなみに、2008年にはABBAミュージアムがストックホルムにオープンするそうです。すごい。 |
毎日目にする絵なのですが、なんだか妙に安心するというか、こころがほんのりと良い気持ちになる絵でした。 他にもちょこちょこと絵が飾られてました。 |
ストックホルムのみならず、スウェーデンを代表するデザイナーのリンドベリ。 リンドベリの食器、特にカップ&ソーサーは日本でも人気があるようで、私も雑誌などでよく目にしました。 私は特に食器好きではないので、写真を見て「かわいい」と思うだけで、それ以上特に思い入れもありませんでした。 むしろ、なんでそんなに有名でみんな騒ぐんだろう?とさえ思っていました。 でも有名だし見ておくか、くらいの軽い気持ちで60kr(約1200円)を払って入ることにしました。 *国立美術館自体は無料ですが、一部のフロアや期間限定のエキシビジョン(展示会)は料金を払います。 会場にはリンドベリがデザインした食器や花瓶過去の作品はもちろん、他にもたくさんの作品が展示されていました。 絵画、ポットや置物、おもちゃや絵本、ファブリック、さらにはテレビまで! こんなにたくさんの種類の作品を残してたんだなぁという感想もありますが、もう、なんといってもそのデザインのポップでかわいいことといったら… リンドベリ、あんたすごいよ!!と叫びたくなるくらいでした。 かつて貧しい国だったスウェーデンで、リンドベリのデザインした食器はあっというまに人々の生活にとけ込み、愛されたのだそうです。 実物の食器や生活用品は、ポップでかわいらしく、なによりもぬくもりが感じられました。 写真で眺めるよりも、立体である”物”は形のせいか「持ってみたい、使ってみたい」と思わせる魅力がありました。 なにしろ、小物も大物も、ちょっとしたところまでいちいちかわいいのです。 展示場内ではテレビでリンドベリが制作している様子がモノクロ映像で流れていました。 その映像で見たリンドベリは、アラレちゃんメガネをかけたオタクっぽいおじさん。 思わず「あんなにラブリーな作品を、こんなきもいおっさんが…!」と衝撃的でした。 でも細かい部分のデザインまで、線一本の入れ方やお皿の丸みまでこだわり、楽しそうに作品作りをしている様子を見ていると、「なんて愛すべきおやじ」と思わせられました。 あぁ、久しぶりにとっても良いものを見たなぁ。 受付の女性にこの名前”Stig Lindberg”はスウェーデン語でなんて読むんですか?と聞いてみたところ、「”スティグ・リンドバリエ”です。でもみんな”リンドベリ”と呼んでいますね。」だそうです。 ちなみに、日本に帰ってきてから復刻版(レプリカ)のカップ&ソーサーを見かけたのですが、あきらかにかわいさが薄れていました。 やっぱり当時の本物にはかなわないということでしょうか。 |
この写真はガムラスタンの本屋さんです。 この本屋さんは店の半分くらいが日本の漫画で埋まっていて、結構な充実さ。 らんま1/2からるろうに剣心、ヴァカボンドやナルト…実際は少女漫画も種類豊富です。 「となりのトトロ」のDVDも飾られてました。 「千と千尋…」なんかは普通のCD店でも並んでます。 ポケモンやドラゴンボールだけじゃないんです! |
現代美術館に併設されている建築美術館では、期間限定で”ジンジャーブレッド・ハウス”というエキシビジョンが開かれていました。
これは毎年恒例らしく、老若男女問わず”ジンジャーブレッド”(ジンジャークッキーとも言う)を使って家や建物を作り、その中から優秀作品を展示するもの。 本当に食べられる茶色のクッキー生地が、馬車になったりお城になったり巨大な集合住宅になったり…。 建築をするときに建物を含むミニチュアを作りますよね。あれをジンジャークッキーで作った、という感じ。 プロっぽい素晴らしい作品もあれば、園児が作ったおもちゃみたいなかわいいお家もありました。 砂糖やお菓子でカラフルにデコレーションされているものもあり、とにかくどれを見てもすごくかわいいのです♪ さすがスェーデン、粋なことするじゃん。と子供のようにウキウキして眺めました。 写真撮影禁止だというのに、みんなこっそり撮っていてなんかおかしかった。 わかるなぁ。すごくかわいかったもん。 ちなみにこの2006年の大賞はシンデレラの馬車でした。 2007年はどんなジンジャーブレッドが大賞を取るんだろう? |